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香川県 三豊市立高瀬中学校の視察

日付が変わってだいぶ時間が経ってしまいました。 今日は香川県の三豊市にある高瀬中学校に視察に伺いました。 京都市の特例校洛風中学校は学齢期の不登校経験がある生徒が通う特例校でしたが、 高瀬中学校の夜間中学校は既存中学校に開設する「二部授業を行う学級」として設置されています。 夜間中学には単独で運営するパターンと、単独校の分校として開設するパターン、そして高瀬中学校のように既存の学校に学級をつくるパターンに大別されるそうです。

対象者としては、(1)義務教育修了者(外国籍の方を含む)(2)不登校等の理由により、十分に学ぶことができなかった方(3)不登校の学齢期生徒となっています。

一般的なの夜間中学校では(1)と(2)が対象となっていましたが、それでは学齢期にあって学校に通えていない生徒が通えないので(3)も盛り込み「だれ一人置き去りにしない、生徒が主役の多様性を尊重する、三豊の夜間中学」 を目指すと決定したそうです。今回視察に対応していただいた三豊市における夜間中学協議会の委員である城之内先生によると、住む場所によって学びの条件が変わってはならない。学ぶことは生きることであり、学習権は生存権である。さらに、学びは幸福追求につながる。その土台が学びのセーフティーネットである夜間中学校にあるということでした。

現在は2022年の開設から2年目に入り、2学年18名(うち学齢期2名)が通級しています。年代も国籍も多様で、様々な背景がある生徒が在籍しているので、一人ひとりの生徒について理解しようと努め、生徒の夢や希望を実現するべく日々教員も研鑽を積んでいるとのことでした。 この一人ひとりに寄り添う視点は、夜間中学に限らず、生徒の困りごとの背景にあることを知ろうと努め、学校が安心して通える学びの場所になるように、広く学校教育に求められる子どもの権利の話であると感じました。しかし、那覇市でも現場の先生は生徒一人ひとりに向き合う余裕がない状況です。子どもの学びの環境を保障するために、教育に携わる教員の働く環境を改善していかなければなりません。

また、今回の視察では、学校訪問の前に山下市長と市川副議長にお時間を取っていただけたので、市長から直接設置の経緯についてお話を伺うことができました。 市長は、「ニーズがどの程度あるのか」という数量ではなく、一人でも学びの保障ができていないなら行政は取組む努力をしなければならない、という考えから夜間中学の設置を決意したそうです。施政方針で設置を宣言して強力なリーダーシップで取組を進めて、教育委員会と連携して、県の教育委員会ともタフな交渉を重ねて実現できたとのことで、那覇市の現状を寂しく思うと同時に、今後に向けては大変勇気づけられるお話しでした。

2日の視察を終え、明日(日付変わったので本日)那覇に戻ります。 今後、視察の振り返りをして、那覇市にはどのような形が望ましいのか議論を重ねて、議会として次のアクションにつなげていきます。

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京都市立洛風中学校の視察
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