今日から那覇市商店街新型コロナウイルス感染症対策支援事業のひとつ「マチグヮー出前deゆいまーる」が始まりました。この事業は、新型コロナウイルスの影響を少しでも緩和できるようにと緊急的に行うもので、那覇市の補助金(那覇市商店街新型コロナウイルス感染症対策支援事業補助金)を活用して一般社団法人那覇市場振興会が実施しています。
那覇市内の利用者が「マチグヮー出前deゆいまーるのホームページ」にある店舗に注文すると、出前deゆいまーる事業者が商品を届けてくれるサービスです。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、店内での飲食を制限せざるを得ないなかでテイクアウトを始めるお店が増えておりますが、外出の自粛が続くなかですから、その商品を届けるデリバリーの支援をしようという事業です(利用者や店舗の配達料の負担はなく、事業は補助金で運営されます)。今日から概ね2か月の限定的な事業ではありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止をしながら、那覇のまちぐゎーの事業者を支援する方法としてまちぐゎーの中から立案された事業です。
国際通りを中心とした中心市街地の事業所数(平成24年調査)は 3,946 事業所となっており、本市全体(17,287 事業所)の22.8%を占めています。産業分類別に見ると、中心市街地は「卸売業・小売業」(40.0%)や「宿泊業・飲食サービス業」(25.8%)の割合が本市全体に比べて高くなっています(那覇市中心市街地の活性化に関する基本計画p19)さらにその中心市街地の中でも、第一牧志公設市場を中心とした「那覇のまちぐゎー」は小さな店舗が軒を連ねる小売り事業者の集積が顕著であり、にぎわいのある那覇らしい風景を形成してきました。また観光スポットとしても人気を集めており、時代の移り変わりの中で近年は飲食店が増加する傾向にありました。市民に親しまれてきた懐かしい場所としての顔と、戦後の歴史と文化が現存する魅力的な観光地としての顔を持つ那覇のまちぐゎーは、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることとなり、観光客の激減と地元客の外出自粛のため厳しい状況にあります。
そこで那覇市は今回の那覇市商店街新型コロナウイルス感染症対策支援事業補助金事業を創設し、まちぐゎーも含めた広く市内の通り会等を対象に補助を行っています。当事業では、マチグヮー出前deゆいまーるの他にも、各種助成金や融資の申請を補助する窓口を開設する事業や、マスクや手指の消毒液などの購入事業などを支援しており、通り会単位や連合会単位で申請があった事業の補助を予定しています。
先日の4月臨時会で可決された補正予算の中で計上された事業であり、企画から実現までの時間は短いものの、今困っている事業者に対して直接的に支援できる意欲的な内容であると考えています。新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から人が集うことが難しくなると「地域の困りごと」に対処することが難しくなりました。それでも多くの事業者のニーズに即して早期に事業を実現させたことは大変なことで、実施主体の那覇市場振興会が日頃から周辺事業者とコミュニケーションを図っていたからこそできたのだと思います。
今日からのスタートということで、その現場を見に行きました。
初日から熱帯低気圧の中を配達するという大変な船出だったようですが、理事長が、朗らかに、情熱を持って「やる!」と決意に満ちた表情をされていたのが印象的でした。こうした地域のキーパーソンと連携してしっかり支援できる那覇を目指していきたいですね。