今回は上里副議長を先頭に超党派で行く不登校特例校の視察にお声かけいただき、参加しています。 初日の今日は京都市の洛風中学校にお伺いしました。 洛風中学校は、文科省が指定するいわゆる不登校特例校(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)に指定されています。 特例校では、通常の学校教育とは違い特別なカリキュラムを編成できることから、生徒一人ひとりに寄り添った過ごし方ができるようになっています。
例えば、文科省の学習指導要領では、年間総授業時数が1015単位時間とされていますが、洛風中学校では無理なく学習できるように770単位時間に設定されているそうです。 とはいえ、履修する内容はカットせずに、重複する項目を統合する(例えば理科と社会をおおきく統合し自然的、社会的事象や現象を学ぶなかで科学的な見方・考え方の基礎を養う「科学」という)授業科目が設定されています。そして、自分の気持ちを確かめたり、集団生活の中で様々な体験を通して自分を探求する「ヒューマンタイム」140時間や風夢風夢(ふむふむ)(総合的な学習の時間)70時間などが設定されています。
学校案内には
洛風中学校は不登校を経験した生徒の学習支援のために生まれた新たなかたちの「学び」と「育ち」の場となる学校です。
とあります。このことについて、森廣校長は、「不登校を経験した生徒」であって「不登校の生徒」ではない。学校に通う意思を持ってこの学校を選んでいる時点で不登校ではないとおっしゃっていました。それは「学校にいけないからこの学校に来る」という消極的な選択ではなく、自分を探求し、人を信頼し、社会とつながるために自分で決めた場所が洛風中学校であってほしいという思いのこもった言葉でした。
こうした学校が公立の学校としてあることは、地方自治体の役割として重要だと改めて感じました。従来の学校教育だけで全ての児童生徒の教育が間に合うわけではないことは明白で、不登校の状態にある児童生徒の数は那覇市でも1,000人近く(令和3年度で小学校421人、中学校561人)おり、その数は増加傾向にあります。那覇市の場合、現状ではもともと通っていた学校へ戻るための支援がありますが、従来の学校以外の学びの場は民間に依存する形になっています。行政がこどもたちの学びを保障するために制度ができたものの、まだ全国で指定されたのが24校と事例が少ない状況で、那覇市でも議会から提案はされていても具体的な議論は進んでいない状況です。今回の超党派での視察を通して議会内で特例校に対する認識を深めて、議論を前に進めていきたい。
校内は木材がふんだんに使われて温かみのある雰囲気でした。
森廣校長先生と学校前で記念撮影。今回は10名の議員が参加しています