令和5年9月定例会 一般質問
質問内容
1 文化行政について
2 若者行政について
3 中心市街地の活性化について
動画はこちらよりご覧ください。
[ 令和 05年(2023年) 9月定例会-09月12日-05号 ]
グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。無所属の会、中村圭介です。一般質問を行います。
今日は質問の趣旨をしっかり伝えようと思って盛り込んだところ、ちょっと通告が長くなりましたけれども、分かりやすい通告になったかなと思っております。
1.文化行政について。
なはーとで今年度1回目のなはーとダイアローグが開催されました。「私たちに身近な文化政策とは?那覇市議に聞いてみよう!」というテーマで、ビデオでの出演も含めて6人の市議が登壇いたしました。
当日は若い世代の参加者も多く見られました。閉会後に寄せられた御意見に、文化という言葉が継承を念頭に置いた地域の伝統文化を中心に語られ、ユースカルチャーの話がほとんどなかったことに戸惑う意見がありました。世代によって重点を置く文化政策は違いがあると思うものの、現状が伝統文化に寄っているという指摘はもっともであると反省したところであります。
ユースカルチャーは、そこに反抗や逸脱を伴う要素があるとしても、その中から文化の核心や若者に関わる諸課題の超克につながる可能性を秘めているものでありますので、文化政策の視点からも今よりも支援がされるべきであると考えます。
以下、関連しますので一括して質問いたします。
(1)那覇市文化芸術基本計画の基本的施策と主な取組の中の「1-(1)市民の文化芸術に触れる機会の充実を図ります」の項目におけるユースカルチャーについての現状と今後の取組を伺いますというところ。
そして(2)同計画の「2-(3)新たな文化芸術の創造発信に取り組みます」の項目におけるユースカルチャーについての現状と今後の取組を伺います。
よろしくお願いします。 御質問の(1)と(2)にまとめてお答えをいたします。
那覇市文化芸術基本計画には、ユースカルチャーに関する施策や取組の記述はございませんが、世代にかかわらず市民が文化芸術に触れる機会の充実を図り、なはーとを中核として新たな文化芸術の創造・発信に向けて取り組むこととしております。
議員御質問の若者を中心に発展している文化につきましては、まずは本市としての課題を整理し、環境づくりを進めることが必要であると認識しております。
なはーとでは、11月3日・4日に、なはーとカンファレンスと題して、20代、30代の若手文化芸術関係者が現状と課題を議論する場を準備しております。本事業については、企画段階から若い世代に中心的に関わっていただいております。こうした事業を通じて市民が若い世代の文化芸術に触れる機会を拡充し、また、若い世代が新しい文化を創造・発信するための環境整備に努めてまいります。 ありがとうございます。
市民の文化的権利というところも関わってくるかと思います。世代にかかわらず文化芸術に触れる機会の創出をするとか、新たな文化芸術の創造・発信にも取り組むということでありました。そして、今後若手の芸術関係者が現状と課題を議論する場を準備しているということでありました。
実施事業を通じて発見された課題だと思っております。それに対してすぐに動いている様子というのは大変頼もしく感じております。
若者の政治参加が問われる昨今でありますけれども、逆に大人のほうというか、社会のほうが参加の機会の創出というのができているのかということが問われているというふうに感じております。
直接お話を聞いて、一緒に考えて支援をしていく、若者が関わってよかったと思えるような体験が主権者としての市民を増やすことにつながると感じておりますので、今回のことをきっかけに取組を進めていただきたいと思います。期待しております。
2点目、これは関連するんですけれども、若者行政について質問いたします。
子どもの居場所の重要性が理解され、広がりを見せていますが、年齢区分による支援の限界も指摘されております。学齢期は居場所に通い、その後は若年無業者やひきこもりの支援というのは子ども・若者総合相談センターなどで支援が続けられております。しかし、学齢期を終えると居場所としての行政支援はなくなります。社会とのつながりが途切れると再びひきこもり、長期化するおそれも出てくるわけです。
社会の経済的な格差は広がったまま推移しており、世代で見ると20歳代の金融資産保有額(保有していない世帯を含む)の平均値が176万円で、中央値が20万円となっています。
そのような中、近年では20代、30代まで利用対象を広げて、居場所と若者の活動支援、各種相談を行うユースセンターが全国に広がってきています。そしてユースセンターでは、若者の支援の専門技能を持ったユースワーカーが支援に当たっております。
誰もが幸福を実感できる社会の構築を目指して、本市の行政も、夜間の開設も視野に入れた若者が安心して過ごせる居場所、ユースセンターの設置を検討すべきであります。那覇の居場所の現状とユースセンター設置について見解を伺います。
福祉部のほうからは、保護管理課で実施する子どもの居場所の取組についてお答えいたします。
居場所型学習支援事業いわゆる無料塾、不登校などの子供たちを対象にした包括的自立促進支援事業、公共施設管理団体等及びボランティア団体が実施する子どもの居場所の運営支援を実施し、子供たちの年齢や課題に応じた居場所支援を行っております。
教育委員会では、青少年の交流・居場所づくりのため、青少年交流推進事業、青少年わいわい広場を那覇市津波避難ビル3階にて実施しております。
青少年わいわい広場では、30歳未満の青少年を対象に、学習スペース、レクリエーションルーム、ダンスルーム、音楽スタジオ、ミーティングルームを無料で開放しております。
議員御紹介のユースセンターにつきましては、先進自治体の事例を調査研究してまいりたいと考えております。 ありがとうございます。
居場所というところでいえば那覇でもいろんな施策をされているということが分かりました。
子どもの貧困対策として実施している居場所について答弁がありました。そこでは支援者がおり、また柔軟な活動が行われているという点では、ユースセンターへと発展できそうだなという可能性も感じました。けれども、所得の要件ですとか、年齢制限の点で、次に紹介がありました青少年わいわい広場、こちらのほうがどちらかといえばユースセンターのイメージには近いのかなという印象を受けました。
ユースセンターにはユースワーカーという支援者が欠かせません。ユースワークという言葉が様々な場面で使われるため、明確な定義は現在のところないようでありますけれども、ユースワーカー養成研究会による2021年時点での暫定的な定義としては、ユースワークは、若者を子供から大人への移行期にいる全ての人と捉え、若者が権利主体として自己選択と決定が保障される自由な活動の場を若者とともに形成し、若者及び若者と関わる大人やコミュニティー、社会システムに働きかける実践であると紹介されています。
那覇の場合で考えると、イメージとしては子どもの貧困対策としての居場所というところから、子どもの権利の保障としての居場所、それをさらに進展させていくと、全ての人の社会参画が阻害されない社会的包摂の考えに近づいていくのではないかと、そういうふうに考えるとユースセンターというのが理解しやすいんじゃないかなと思います。
そこでは、学校を卒業して朝から時間がある方とか、学校の放課後であったり、仕事帰りの若者にも利用してもらうということを想定すると、開館時間はなるべく朝から夜までというようなイメージになるかと思います。
そして活動としては、余暇を保障するという点が強調されるんですけれども、社会参画という意味では主権者教育なども担える大変幅の広い場というのが想定されるかと思います。
私も今後いろいろ調べて提言していきたいと思いますけれども、当局のほうでも調査研究をして取り入れていただきますようにお願いいたします。
次の質問です。中心市街地の活性化について質問いたします。
東京都町田市では、2004年に、悪化する治安に対して地域住民が主体となって運営する防犯拠点、民間交番セーフティボックスサルビアを開設し、パトロール等をしてきました。現在はまちづくり公社に業務委託をして運営されているそうです。
ここで重要なことは、委託を受けた団体が地域の治安維持のために活動しているという点であります。
那覇のマチグヮーでは、急速に増えた飲食店の一部店舗が騒音などでトラブルとなるケースが発生し、また酔客の増加によりトラブルも増えています。一方で、店舗が密集したエリアでは高齢化により廃業する店舗が出ており、大規模な改修がされないまま空き店舗が増加する懸念もあります。
まちの魅力を維持しながら活気のあるマチグヮーを残していくためには、最低限のルールやマナーの共有による調和が求められています。
こうした状況に、通り会でルールづくりをしてはどうかという模索も始まっておりますけれども、既存店舗と飲食店との対話がなかなか整わず、実現には至っていません。
また、関係機関が連携してプロジェクトチームを結成し、各種問題の解決に向けて協議が進められておりますが、治安に関する直接的な取締りについては、警察を呼んで見回りをしてもらうしかないという状況であります。
そこで、那覇市が飲食店の出店、更新に際して保健所とは別の確認書を作成し、その履行を求めることで最低限のルールやマナーの徹底ができるのではないかと考えております。例えば那覇市でも、道路の占用許可については地域住民との合意形成を図っていることというのが要件としてあって、そこのチェックボックスにチェックを入れるというふうになっております。そのような具合で、保健所の要件と併せて周辺店舗との良好な関係を確認することを条件とし、その確認書を治安維持の業務を受託する団体が確認することで、治安維持のための抑止力につながるのではないでしょうか。
さらに、マチグヮーの課題としてごみの回収が長年の懸案であります。従来は戸口回収を行っておりましたけれども、事業者の代替わりや業務の多忙化で、集積所に集めての回収でなければ回収できないとして、マチグヮーの事業者は対応に苦労しています。また夜間にも開いている飲食店では、回収の時間と営業時間が合わないため、閉店後に生ごみを出すことができずに困っているという声もあります。市内のごみの収集運搬には許可が必要ですが、マチグヮーの事情をよく知り、複雑な要望に応えられる事業者が求められています。
そこで、先ほどの治安維持のための団体がごみの回収事業を請け負い、その事業収益を治安向上の活動の運営費に充てることで、地域の課題を解決しながら継続的に活動できる体制が整うのではないかと考えます。
以下、伺います。
(1)マチグヮーの治安を向上させるため、民間交番のような場所をつくってマチグヮーのパトロールや保安についての業務委託をするなど、抜本的な対策が求められます。見解を伺います。
お答えいたします。
議員御提案の民間による見回りの拠点を設けることなどについては、一定の意義があると思われます。一方で、通り会やお住まいの方の見回りや店舗同士の声かけには限界があるとの地域からの声もあります。
御提案のような民間交番の設置等につきましては、複数部署での連携が必要でありますので、引き続き庁内プロジェクトチームの中で検討してまいりたいと考えております。 もちろん通り会の人とか隣近所だけの声かけでの限界はあるわけで、それを越えたところでどうなのかというところで交番はできないのという話があって、警察としてはそれの設置は難しいというのが以前あったと思います。
なので、もう少し警察からの業務を行政のほうで市民に委託をして、市民がある種権限を持った形で見回りができるとか、警察につながるその手前の段階で市民が対応できる限界というのはどこなのかというところを探っていくようなイメージかと思います。
次に行きます。
(2)新規営業や更新の際に、保健所の許可と併せて周辺事業者と良好な関係を築けていることの確認書を添付できないか、見解を伺います。
飲食店の営業許可は、食品衛生法第55条第1項の規定により申請しなければならず、同法施行規則第67条において申請に必要な事項が定められております。
食品衛生法は、飲食に起因する危害を防止することを目的に規制や必要な措置を講じるものとなっております。
したがいまして、保健所において法的根拠のない確認書の作成及び添付を求めることは困難であると考えております。 ありがとうございます。
端的に言うと難しいという答弁だったかなと思います。保健所の現在の業務の中では根拠がないということなのかなと思いますけれども、マチグヮーの課題についてはプロジェクトチームで議論していると思いますけれども、トイレのない飲食店に起因する問題ですとか、路上への客席の勝手な増設ですとか、食品衛生法上の許可ではありますけれども、外から見れば保健所の許可を受けた後に課題が散見され、なぜあの形で許可が出るのかというような御意見がよく聞かれるわけです。
保健所は全ての飲食店との接点を持っていると考えております。通り会よりも、市のマチグヮー振興の担当よりも、保健所のほうが密接な関係を持っているんじゃないかなと思いますので、そこからできることがないのかということについて改めてまた考えていただきたいというふうに思います。
次です。
(3)ごみの収集運搬について、法人の形態や事業所の規模に基準はあるのか伺います。
一般廃棄物の収集運搬業務につきまして、事業を行う者に、法人形態、規模の基準はございませんが、施設の基準として可燃ごみ、不燃ごみの車両をそれぞれ1台ずつ保有し、かつ車両の保管場所を確保していることなどが求められております。
次に、申請者の能力に係る基準といたしまして、知識及び技能並びに税の完納証明や社会保険への加入など、事業を的確かつ継続して行う能力を有することが求められております。 ありがとうございます。
基準としては、駐車場をちょっと大きめのトラックが2台というところが確保できて、あとは業務を遂行できるかどうかということが問われるということでありました。
では、ごみの収集運搬について、新規で申請があった場合に許可ができるのか伺います。
お答えいたします。
一般廃棄物の収集運搬業は市民生活に必要不可欠な公共性の高い事業であり、その業務の運営については継続的かつ安定的に遂行される必要があります。
そのため、最高裁判例でも、新規の許可については受給の均衡及び既存の許可業者への影響について考慮が必要であると示されております。
現在、当該区域では受給の均衡が取れている状況であり、新規の許可は難しいものと考えておりますが、ごみの戸別収集や夜間収集の課題について、既存許可業者の状況や情報を確認してまいりたいと思います。 ありがとうございます。
その地域の受給の均衡ということで、収集する業者がいるのであれば新規は難しいということでありました。
つまり競合が多くなってしまうと価格競争のような市場原理にさらされて、業者のモラルが低下したりすると市民生活によくないということなんだろうと思いますけれども、おっしゃっていたように、現在の夜間の収集ですとか、小口の回収ですとか、そういった課題について既存の事業者と協議して何か方法を探すのか、また別の方法があるのか、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
次の質問に移ります。
(4)治安維持のための一連の設備投資に、頑張るマチグヮー等支援基金を活用できないか伺います。
那覇市頑張るマチグヮー等支援基金は、本市の中心商店街その他の商店街の活性化に向けた事業を行う者の創意工夫による積極的な取組を支援するため設置された基金となっております。
議員御質問の設備投資費用への活用は、マチグヮーがより安全で安心なエリアになることにつながり、将来的には商店街等の活性化に資するものと考えておりますので、基金活用事業である頑張るマチグヮー等支援事業の補助メニューの拡充等を検討してまいりたいと考えております。 ありがとうございます。
もちろん基金というのは大事に使わなければいけないと思うんですけれども、使いどころの見極めというのがもっと大事かなというふうに思っております。マチグヮーも大きな曲がり角にあるかと思っておりますので、何かいい案が見つかったときには大胆な行使というのも必要じゃないかなと思っております。
プロジェクトチームの取りまとめ役でもあります仲本政策統括調整監に再質問をしたいと思います。
プロジェクトチームが発足して様々な検討がされてきたとは思いますけれども、目に見える改善というのがなかなか見られないということで、マチグヮーからは不満の声も上がっております。
中核市として独自で保健所を有しておりまして、また商都那覇の財産であるマチグヮーの商環境、これを保つためにも、いま一度ねじを巻き直して再度知恵を絞っていただきたいというふうに思っております。
今日は確認書の添付ができないかという質問でしたけれども、目的はマチグヮーの課題解決であります。プロジェクトチーム内の各部署というのは上下がなくて横並びということですので、難しい、できないと、1つの部署でも諦めてしまうと一気にその推進力を失ってしまいます。
可能性を模索して突っ込んだ話も自由闊達にできる環境をつくって、議論を煮詰めていけるようにリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思います。このリーダーシップは、頭ごなしにということではもちろんなくて、議論が円滑に進むようにサポートするという、目的達成に向けての行動という意味でのリーダーシップでございます。マチグヮーの課題解決に向けて政策統括調整監の決意を伺います。
中心市街地の課題につきましては、現行の法令や制度、この範囲を超えるような事案が数多く見受けられ、このため十分な進捗が感じられない現状にあるとこのように考えております。
そのような中、法令やあるいは制度、これにとらわれないもう一工夫が必要ではないかということで、現在PT(プロジェクトチーム)でも協議を重ねているところでございます。
例えば、各関連部局がそれぞれの関わりの過程でチラシを配布するなど、商店街等への意識づけを図ることが重要ではないかとも考えております。
ただいま幾つかの視点について御提起をいただきました。中心市街地の活性化につながるように、引き続きプロジェクトチームで幅広い取組、これをしっかりと模索してまいりたいと考えております。 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
なかなか議会での質問を通じて前進させるというのは難しいんですけれども、中から言いにくいところというのもあろうかと思いますので、こちらも思いついたことというか、これはと思うことがあればその都度その都度提案をしていきたいと思いますので、丁寧な対話をしっかり続けていただいて、マチグヮーの課題解決に共に頑張ってまいりましょう。
以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。