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令和2年11月定例会 代表質問

質問内容

1 市長の政治姿勢について

2 子どもの権利の保障について

動画はこちらをクリック

[ 令和 02年(2020年)11月定例会-12月03日-03号 ]

中村圭介
 グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。無所属の会、中村圭介です。会派を代表しまして質問を行います。  1.市長の政治姿勢についてであります。  新聞報道等を見ましても、残念ながら本市の子供たちを取り巻く課題というのが多くありまして、命に関わる事件も起きてしまっております。また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厳しい状況に追い込まれてしまう子供たちが増えております。  また、日頃彼らを支えていた民間の活動の支援というのもなかなか届きにくくなるなど、ますます行政が子供に寄り添う施策を進めていかなければならない状況になっております。  また、これまでも議会で多くの議員が子どもの権利条例について取り上げてまいりました。  そして、昨年12月には検討部会が設置され、検討が進められるということとなっておりました。  そうした状況を踏まえて、市長に質問いたします。本市での子供の権利の保障の状況についての認識と子どもの権利条例の制定について、市長のお考えを伺います。  次に、2.子供の権利の保障について質問いたします。  (1)昨年12月に設置された子供の貧困対策を含む子どもの権利条例等についての検討部会における条例制定の検討状況について以下、伺います。  ①検討の進捗について。  ②児童福祉に関する施設や学校等からの意見聴取について。  ③外部有識者からの意見聴取について。  ④条例制定の必要性の他市との比較について。  ⑤検討結果の報告等、今後の予定についてお伺いします。  次に、子どもの権利条例の制定の必要性について、これまで当局の答弁の中では、那覇市は、「那覇市世界にはばたくこどもの街宣言」というものがありますので、子供の権利に関する条例と普遍的な意義は同様であるとしておりますけれども、それでは那覇市が保障すべき子供の権利をどのように保障しているのかということについて考えていきたいと思い、質問いたします。  (2)現在、子供の権利が保障されているのかをどのように確認しているのか、お伺いします。  そしてまた、思いが共通している部分があるということでありますけれども、計画に反映されているのか、事業としてしっかり反映されるような仕組みになっているのかというところで、質問いたします。  (3)現在の各種行政計画の中で、子どもの権利条約の理念にのっとると明記された計画はあるのか、お伺いします。  そして、(4)については今現在策定中ということでありますので、取り立ててここは質問したいと思います。  教育委員会の計画の中で、教育と福祉にまたがる計画として「なーふぁぬわらび・わかむん計画」というものがあります。  この計画は、子ども・若者育成支援推進法という法律に基づいて策定されており、この法律はどのような教育をしていくのかという教育基本法とは毛色が違う法律でありまして、子供や若者が社会生活を円滑に送れるように支援していくための取組についての理念などがまとめられた法律であります。つまり、学校でどういう教育をするのかということの、その受ける子供の側の立場に立った法律ではないかというふうに思っております。  この法律に基づいてつくられる計画、「なーふぁぬわらび・わかむん計画」、これは非常に子供の権利を保障していく上で大事な計画であると考えておりますので、質問したいと思います。  (4)日本国憲法及び児童の権利に関する条例の理念にのっとり策定された法律として、子ども・若者育成支援推進法があります。この法律に定められた大綱を勘案して策定する計画「なーふぁぬわらび・わかむん計画」の次期計画の進捗と、計画での、子供の権利の保障についての取組をお伺いします。  残りの時間は質問席より行います。よろしくお願いします。
城間幹子 市長
 中村圭介議員の代表質問のうち、私のほうから、1の市長の政治姿勢に関する質問にお答えをいたします。  子供の権利については、1989年の国際連合において採択された、子どもの権利条約の中で定められており、1994年に日本も批准しております。  条約は、子供の自己決定権を保障する意見表明権や生命・生存、発達の確保など54の条文で構成されており、批准された条約の理念については、本市の様々な事業において生かされているものと認識いたしております。  子どもの権利条例の制定につきましては、子供の生きる権利等の基本的人権を保障する、子どもの権利条約の理念等に基づき、憲章的な位置づけで制定されている自治体があることも承知をいたしております。  本市といたしましては、条約が憲法第98条で遵守することがうたわれていることを踏まえ、条例と同様の憲章的な意義を持つ、先ほど議員からも紹介ありましたこどもの街宣言の周知や意識づけ等を進めるとともに、条例の制定につきましても昨年度設置いたしました庁内組織、子どもの権利条例等の検討部会において庁内での議論を進めるほか、他市の事例等の研究等を指示したところでございます。  子育て支援を政策の一丁目1番地に置く私としては、条約の理念については、意を一にするものであり、将来的な条例制定の必要性を認識しております。  しかしながら、市独自の条例を制定する場合、県条例との整合性や先進自治体における成果等を様々な角度から検証・点検する必要もございます。  さらに、憲章的な意味を包含する条例制定には、行政や議会のみならず、事業者や市民、何よりも当事者である子供も含む、本市全体の意識の醸成が大変重要であるものと考えており、腰を据えて取り組む必要があると考えております。
末吉正幸 こどもみらい部長
 代表質問の2(1)子供の権利の保障についての①から⑤に順次お答えいたします。  初めに①検討の進捗についてお答えいたします。  子供の権利に関する条例等を検討するための検討部会につきましては、こどもみらい部副部長を部会長とし、庁内6部8課を構成員として、令和元年12月に設置後、令和2年3月に第1回検討部会を開催しております。  同部会の第1回会議においては、貧困対策計画や子どもの権利条例等に関する他市の制定状況を踏まえつつ、調査・検討に向け、部会の位置づけを確認するとともに、令和2年4月に開催予定でございました、こどものみらい応援プロジェクト市民会議(準備会)に部会設置の報告を行うとともに、意見交換を行うなどを確認しているところでございます。  そのほか、第2回の部会に向けては、子どもの権利条例や貧困対策計画が関連すると思われる計画や根拠法令、実施事業の洗い出しを行うこと及びこどもの街宣言の分析を予定しておりました。  しかしながら、コロナ禍の中、感染拡大防止の観点から令和2年度の市民会議(準備会)は中止することとなり、書面により開催した第2回目の検討部会においてはコロナ対策を最優先業務として位置づけ、人員や予算等の経営資源をコロナ関連業務に集中することとした本市の方針に基づき、当該事業について今年度末まで休止業務にすることを決定したところでございます。  次に、②児童福祉に関する施設や学校等からの意見聴取について及び③外部有識者からの意見聴取について、まとめてお答えいたします。  現在、検討部会は休止しておりますが、第1回会議においては、今後の作業として、関係機関や学校、外部有識者の意見についても聴取することを確認しております。  次に、④条例制定の必要性の他市との比較についてお答えします。  一般的に条例は、自治体の置かれた個別の状況に応じ、条例制定の必要性の有無を判断して、執行機関または議会が提案し制定するものでございますが、本市においては、先ほど市長から、将来的には条例制定の必要性を認識している旨の考え方が示されております。  それを踏まえ、まずは本市の現状等の整理や他市の条例の調査等を行いたいと考えております。  次に、⑤検討結果の報告等、今後の予定についてお答えします。  部会での検討結果につきましては、庁内推進会議及び市長等に適宜報告する予定でございます。また、必要に応じて、市民会議(準備会)との意見交換を行うことを想定しております。  条例制定に向けては、先進自治体においては検討を始めてから制定までに2年から3年以上の長い期間を要していることも承知しております。憲章的な意味合いも必要となる条例制定に向けては、当然のこととして当事者である子供たちや、関係機関等との意見交換は必要だと考えており、そのような段階を踏まえる必要があり、そのため一定程度の期間を確保し、慎重な議論の下、取組を進めていくことになるものと考えております。  次に、(2)現在、子供の権利が保障されているのかをどのように確認しているのかを問う、についてお答えします。  現在本市では、個別の行政計画において、間接的に子どもの権利条約の理念の保障に資する事業を実施しており、その確認については、いわゆるPDCAサイクルの中で行っているものと認識しております。  子供の権利に関する全体的かつ直接的な保障の確認につきましては、その手法等も含め、条例を議論する中で検討されるものと考えております。  次に、(3)現在の各種計画の中で、子どもの権利条約の理念にのっとると明記された計画はあるかについてお答えします。  各種行政計画の中で、子どもの権利条約の理念にのっとると明記された計画の有無については、全庁的に確認したことはございませんが、現時点においてはないものと考えております。この部分についても第1回の部会のほうで、次回以降、確認することも想定しておりました。  なお、持続可能な開発目標であるSDGsにおいては、子供に関連する多くの取組が含まれており、本市において年度ごとに策定している実施計画は、基本的にSDGsをひもづけた取組となっております。  そのため、広い意味で、様々な子供に関連する事業は、権利条約の理念につながる取組になっているものと考えております。
山内健 教育委員会生涯学習部長
 代表質問の2番目の(4)についてお答えいたします。  本市では、「子ども・若者育成支援推進法」第9条第2項に基づき、那覇市の子ども・若者に係る施策についての基本的な方向性を示す「なーふぁぬわらび・わかむん計画」を平成27年度に策定しております。  次期計画につきましては、令和2年度中に改定される、国の「子供・若者育成支援推進大綱」を勘案して策定する予定でございましたけれども、国の大綱の改定が、新型コロナウイルス感染症の影響で、令和3年6月頃に延期となったため、本市も国の動向に合わせて現計画の期間を延長し、令和3年度中をめどに次期計画の策定を予定しているところでございます。  次に、子供の権利の保障についてですが、現計画でも、子どもの権利条約の理念の保障に資する事業に取り組んでおり、次期計画においても、国が示す大綱を勘案しながら、引き続き取り組むよう関係部局と調整し、検討してまいります。
中村圭介
 市長、各部長、御答弁ありがとうございました。  まず、市長におかれましては必要性について認識をしてくださいまして、時間はかかるかもしれないが、前向きにつくっていく方向で検討を進めていきたいというようなお答えだったかと思います。ありがとうございます。  例えば児童虐待防止の条例、そこに特化した条例を県のほうはつくっておりますけれども、やはり那覇市としては貧困とか虐待とか、そういった個別のものに関わる、そういう困り事を抱えた子供たちだけではなくて、全ての子供の権利をどうやって那覇市が保障していくのか。行政の役割、地域の役割、家庭の役割みたいな、そういった包括的な子供の権利の条例というのがやはり必要だと思っております。  そして、条例をつくり、それに基づいた計画ができ、計画の中で事業をつくり、その事業の進捗を図る中で、子供の権利がしっかりと保障されているかどうかという確認ができるような流れができるかと思いますので、現状、それぞれの事業計画の中でそれぞれの分野に関わることを反映させていくというような形だと、どうしても統合したときに、全ての子供の権利の保障がされているのかどうかという確認はなかなか難しいと思いますので、そうした包括的な権利条例制定を目指していただきたいと思います。よろしくお願いします。  2についてですけれども、検討の進捗、コロナの影響で第2回が開催できていないという状況は、半分は理解できるところではあるのですけれども、庁内の会議ですので、集まれない中でもオンラインでやったりとか、外部の意見を聞くときにも、例えば他の都道府県の方とオンラインでつないで情報収集をして、それをまたメール等々で情報を共有したりとか、意思決定についてなかなか難しいところはあるかもしれませんけれども、情報の収集であったり共有においては、様々なツールも活用しながらできるところから進めていくというのも必要なことではないかなと思っておりますので、これは再度質問したいのですけれども、今年度末までは休止ということではありますけれども、全体の大きな会ではなくて、もう少し、プロジェクトチームじゃないですけど、その中の小さな集まりの単位の中で情報収集なり、意見交換なり、そういったことは進められないか、部長の見解をお伺いします。
末吉正幸 こどもみらい部長
 現在におきましても担当課、担当部局のほうでは情報収集に努めているところでございます。その情報について、全体的に集まるのは結構厳しいかと思っておりますが、個別に情報提供しながら、担当者同士の意見交換的な部分については引き続き進めていきたいと考えております。
中村圭介
 よろしくお願いします。  昨年12月に策定されて、1年をかけて、まあつくる方向で行こうかなという段階というのが、コロナの影響もあるとは思うのですけれども、もう少し早く取り組めるんじゃないかなというふうには思っております。というのも、やはりつくるとなれば、時間をかけて子供たちの意見も聞きながら、地域での会議も重ねながら、長い道のりになろうかと思いますので、さあつくるぞというところまではとんとんと行くんじゃないかなと期待していたところではありますので、この検討部会の取組の推進を期待しております。  そして、(2)と(3)については、やはり先ほど申しましたように、個別の事業計画の中でその分野のことだけを取り扱っていくと、統合したときにどうしても総合的にこの権利が保障されているかどうかという確認が難しいと思いますので、これはやはり条例をつくる。その中でしっかりと包括していくというようなことが必要だと思うんですけれども、改めて見解をお伺いします。
末吉正幸 こどもみらい部長
 先進的に取り組まれている自治体のほうでは、条例の中のほうで行動計画的なものを置くとか、それを検証するような仕組みを入れているとか、様々な部分があります。こういったことについてもこの部会の中で検討しながら、那覇市にとって包括的に、総合的に進めていくために必要であればそういったことも導入する。その辺も含めて検討になってくるかなと考えております。
中村圭介
 ぜひよろしくお願いします。  それから、教育委員会のほうにもお尋ねしたいんですけれども、どちらかというと学校というところで子供と接する機会が多いかと思うのですけれども、子供の権利を保障するということを考える上では、学校以外のところでも当然、子供たちに関わりというのは出てきます。そういう意味では、「なーふぁぬわらび・わかむん計画」というものが学校の少し広い範囲で関わりが生まれてくるものだと思いますので、この計画の中に、目的・理念とかの中にでもいいと思うんですけれども、しっかり子どもの権利条約の理念に基づくというようなことを明記するであったり、子どもの権利条例よりは先にこちらのほうができると思うので、そうした条約の理念に基づくとか、そういった権利の保障に努めるというようなところを、必要な部分だけではなくて、しっかり全体的、包括的な子供の権利に関しての文言というのを入れ込んでいく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、見解をお伺いします。
山内健 教育委員会生涯学習部長
 お答えいたします。  現在の国の大綱でも、「はじめに」の部分で児童の権利に関する条約についての記載がございます。本市の次期の計画につきましても、改定される国の大綱を見ながらでございますけれども、やっぱりそういう形で児童の権利に関する条約の理念等を盛り込んでまいりたいと考えております。
中村圭介
 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。  児童福祉法ですとか、子どもの貧困に関する法律ですとか、先ほど紹介した子ども・若者育成支援推進法、そうした法改正の中で子供の権利をしっかり保障していこうというようなことが法律の中で入ってきておりますので、それが各都道府県、市町村の計画の中にも入ってくるような形に流れとしてはなってくるかと思いますので、そうした国の情報もしっかり捉えて、市の計画の中にも反映させていただきたいというふうに思います。  以上で私の代表質問を終わります。ありがとうございました。

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