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令和2年2月定例会 代表質問

質問内容

子ども行政について

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[ 令和 02年(2020年) 2月定例会-02月19日-03号 ]

中村圭介
   グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。無所属の会、中村圭介でございます。  代表質問に入ります。  子ども行政について。  (1)貧困の連鎖と子どもの自己肯定感との関連について、本市の見解と対応をお伺いします。  (2)居場所型学習支援事業の概要と推移をお伺いします。  (3)包括的自立促進支援事業の概要と推移をお伺いします。  (4)ボランティア団体等が実施する子どもの居場所運営支援事業の概要、補助の推移と今後の見通しをお伺いします。  (5)子ども寄り添い支援員(スクールソーシャルワーカー)配置事業の概要と今後の見通しをお伺いします。  (6)自立支援教室(むぎほ学級)事業の概要、支援内容の推移と今後の見通しについて、お伺いします。  (7)那覇市スタディクーポンモデル事業についての実施体制、対象者、支援人数、1人当たりの金額、クーポンの使途、モデル事業の2年間での成果目標をお伺いします。  (8)先日、沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例(仮称)の骨子(案)が示されました。  条例骨子案の理念に示された子どもの権利について理解を深め、その保障に当たっての具体的な仕組みを示すためには、那覇市において子どもの権利に関する条例の制定が必要であります。見解をお伺いします。  残りの時間は、質問席より行います。よろしくお願いします。
城間幹子 市長
    中村圭介議員の代表質問の1.(1)、私のほうから、貧困の連鎖と子どもの自己肯定感との関連についてお答えをいたします。  貧困の連鎖と自己肯定感については、深い関係性があると思っております。私も教育現場に携わってきた者として、実際に不登校や引きこもり、遊び非行、学業不振などさまざまな問題を抱えている子どもたちにかかわってまいりました。  中には、自己肯定感の低さから、どうせ高校に進学しても意味がないとか、どうせ勉強しても意味がないと言って学ぶことをあきらめていたり、将来のなりたい自分のイメージを持つことができない子どもたちもおりました。学ぶ機会や遊ぶ機会があったとしても、その意欲を持つことができずに、みずからの可能性を閉ざしてしまうことがあると実感しております。  そのような声を上げられずに膝を抱えてうずくまっている子どもたちを発見し、寄り添いながら、その子が置かれている環境や実態等を把握して、適切な支援を行うために、保護管理課や教育相談課に支援員を配置し、学校等関係機関と連携しながら子どもたちの支援を実施しております。  さらに地域におきましては、市民が主体となってこのような子どもたちを発見したり、安心して過ごしながら、心もおなかも満たすことができるような子どもの居場所の設置を進めており、現在市内には33カ所の子どもの居場所が活動しております。  私は、子どもたちが自分のことが好きになり、夢や希望を持つことができるようになるためには、いわゆる自己肯定感を持つようになるためには、その子のことを温かく見守り、認め、受け入れてくれる人の存在が必要だと思っております。人を救うのはまず人の営み、人であるというふうに思っております。  そのためにも、人と人をつなぎながら、1人の子どもも取りこぼすことがないように、これからも全力で取り組んでまいります。
宮城寿満子 福祉部長
    ご質問のうち、(2)、(3)、(4)に順次お答えいたします。  まず(2)居場所型学習支援事業、いわゆる無料塾につきましては、平成28年より生活保護や生活困窮世帯の中学生を対象に事業を実施しており、安心して過ごし、学ぶことができる場の提供を行い、子どもたちが将来自分の望む進路へ向かうことができるよう支援している事業であります。  事業実施につきましては、NPO法人へ業務委託を行っております。  無料塾では、個々の学習レベルに合わせた個別学習支援を中心に行っております。将来の目標などが持てない子どもに対しては、意欲喚起のため企業などと協力してキャリア教育も行っております。  また、必要に応じて本人や保護者との面談、支援員や学校などとも連携を図り、安心して居場所に定着できるように支援を行っております。  事業の実施状況につきましては、本庁・小禄教室、首里教室に続き、平成30年7月より真和志教室を開設いたしました。  今年度の定員は3教室合わせて250人で、当初予算額は6,179万7,000円となっております。  これまでの利用人数の実績といたしましては、平成28年度は187人、平成29年度は191人、平成30年度は211人、令和2年1月末現在で213人でございます。高校合格の実績といたしましては、平成28年度86人、平成29年度98人、平成30年度は93人となっております。  続きまして(3)包括的自立促進支援事業について、お答えいたします。  包括的自立促進支援事業は、引きこもりや非行などにより不登校になっているなど、学習支援以前の支援が必要な、小学校高学年からおおむね18歳までの生活保護や生活困窮世帯の子どもを対象に、学校や関係機関と連携し、家庭や学校ではない第3の居場所づくりとして、平成28年度より事業を開始いたしました。NPO法人へ業務委託を行っており、今年度の予算は2,395万9,000円で、定員は30人程度となっております。  本事業では、子どもたち1人1人の思いを丁寧に拾いながら、活動プログラムを立てていくなど、自己肯定感や自己有用感を得られるように支援しております。居場所に通うことで生活リズムを整え、仲間づくりや食育、キャリア教育を通して、他者との関係性を育み、社会性を身に着け、登校復帰や将来の自立に向けた取り組みを行っています。  また、本事業の活動に協力する企業や団体と連携し、アルバイトや就労までのサポートも実施しております。その結果、コミュニケーションが苦手だった子どもたちが、他者との交流や地域・社会活動へ参加できるようになり、登校復帰や就職、大学への進学など、一定の成果を挙げております。  利用人数の実績といたしましては、平成28年度は39人、平成29年度は38人、平成30年度は32人となっております。  最後に、(4)ボランティア団体等が実施する子どもの居場所運営支援事業につきまして、平成28年度より事業を開始し、子どもたちが安心・安全に過ごせる居場所を運営しているボランティア団体等へ、居場所の運営資金の補助を行っております。  これまでの実績としまして、平成28年度は16団体へ634万6,000円、平成29年度は17団体へ1,039万7,000円、平成30年度は15団体へ966万1,000円の補助金を交付しており、今年度は14団体へ1,070万9,000円の交付決定を行っております。  また、補助金を交付している団体の他に、18のボランティア団体等が市内で子どもの居場所を自主運営しております。  今後の見通しといたしましては、児童館等の公共施設を利用した、より地域に密着した居場所活動が行える場所の提供を考えております。  また、那覇市社会福祉協議会へ委託している子どもと地域をつなぐサポートセンター糸による、居場所の課題解決やネットワークづくりなどの中間支援事業の強化にも努めてまいります。
奥間朝順 教育委員会学校教育部長
    中村圭介議員の代表質問(5)、(6)に順次お答えいたします。  まず、(5)子ども寄添支援員の概要と今後の見通しについてですが、平成28年度から支援員18人の体制で事業を実施しており、市内各中学校区に支援員を配置し、貧困状態が子どもの生活と成長に与えるさまざまな課題に対応するため、教育分野に関する知識に加え、社会福祉等の専門的な知識技術を用いて、児童生徒の置かれたさまざまな環境に働きかけて支援を行っております。  支援員は1人当たり、中学校1校に加え、小学校2校ないし3校を担当し、学校を訪問して、支援が必要な児童生徒の情報を把握し、家庭への支援策について、学校長及び関係教員や教育相談支援員などと調整を図りながら取り組んでいるところでございます。  平成28年度の実績としましては、支援世帯数が332世帯、支援人数は471人となっております。平成29年度は、349世帯の546人、平成30年度は407世帯の640人となっており、年々支援数は増加している状況となっております。  今後の見通しとしましては、年々支援数が増加している中、毎年4人程度の支援員の入れ替わりがあることから、内部での研修に加え、外部講師を迎えた研修を年間約15回開催するなど研修を継続的に実施することで、支援員の資質向上を図っているところでございます。  次に(6)むぎほ学級について、不登校等の小中学生に対する日中の教育的居場所として運営しており、学習支援や調理体験、創作体験などのさまざまな体験活動を通して、学校や社会への適応や将来の社会的自立・自律に向けた支援を実施しております。  むぎほ学級でお預かりする児童生徒は、集団での活動に対する不安が大きく、定期的に通うことが難しい場合が多くみられることから、個別での支援を基本として、アウトリーチを行うことで、一人一人にあったきめ細やかな支援を実施しております。  平成28年度の実績としましては、支援実人数が30人、アウトリーチが1,044回となっております。平成29年度は、22人の598回、平成30年度は、32人の526回となっております。主な支援内容としましては、調理や学習、創作、スポーツ活動や、レクリエーション活動等がありますが、個々の児童生徒の特性に合わせた支援計画を作成し支援を行うため、年度によって各活動の回数に変動がございます。  学習については、児童生徒の生活リズムが乱れやすい夏休み期間中に集中的に支援を行うサマーむぎほの実施もあり、平成28年度の80回から平成30年度は146回と増加しております。また、宿泊体験や職場体験などは、児童生徒の特性に合わず、なかなか実施までに至ってない状況でございます。  今後の見通しにつきましては、1対1の個別での支援を基本としながら、学校等と連携し、支援が必要な児童生徒の把握に努め、きめ細やかな支援を継続して実施してまいりたいと考えております。
末吉正幸 こどもみらい部長
    代表質問(7)那覇市スタディクーポンモデル事業について、お答えいたします。  スタディクーポン事業は、一般的に放課後の学びの格差などを無くすことなどを目的に、低所得世帯の子どもたちに塾や習い事で利用できるクーポンを提供する事業となっております。本事業は、沖縄県の子どもの貧困対策推進交付金を活用し、モデル的に実施することとしており、令和2年度の当初予算としては、1,131万6,000円を計上しております。  当該事業の効果としては、一般的に学力やIQ等の測定可能な認知能力と、意欲や自制心、協調性などの自己肯定感にもつながる非認知能力の向上が期待されております。  先月、こども政策課の担当職員が、先進自治体である千葉市や渋谷区の視察を行っておりますが、対象者への周知やクーポン交付後の支援、事業効果の確認方法等について課題があることなどが把握できたところでございます。  議員ご質問の事業の詳細については、現在、こども政策課において、先進自治体の事例も参考に、より効果的な事業の実施に向け、対象となる世帯の範囲や募集方法、事業実施の手法などを詰めているところございます。  続きまして(8)についてお答えいたします。  沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例においては、県が、県議会の2月定例会に上程しております。  条例案では、子どもの権利条約の精神にのっとり、安心して生きる権利、能力を十分に発揮し育つ権利、虐待から守られる権利などが、子どもの権利として示されており、その権利等を保障することが基本理念として明記されており、同条例の制定は、児童虐待防止等の子どもの権利擁護に資することになるものと考えております。  本市においても、去る12月に庁内推進会議のもとに関係各課で構成するこどもの貧困対策等を含む子どもの権利に関する条例等の検討部会を設置したところでございます。  今後、同部会においては、先進都市の事例等の調査を進め、本市における子どもの権利等に関する課題を整理していく予定となっております。
中村圭介
   再質問を行いたいと思います。  (4)についてなんですけども、ボランティア団体等が実施する子どもの居場所運営支援事業については、福祉部のほうで担当しておりまして33団体があるということでありました。そしてまたこれは、補助金という性質上、今後その補助率については、検討が必要というところはあろうかと思いますけども、那覇市として、小学校区1つには最低通えるような状態、那覇市のどこに住んでいる子どもも通える居場所があるというのが、1つ行政が果たすべき役割としてあるのかなと思います。  そして一方で、学校との連携について、これはぜひ教育長にお伺いしたいのですけども、こうした地域の人たちが頑張って、子どもの居場所をつくっておりますので、そこと学校との連携がうまくいくか、いかないかによって、また、子どもの居場所があげられる生活、つながれる子どもたちの内容というのも変わってくるのかなと思いますので、そうした連携と協力体制というものをつくっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
田端一正 教育長
    子どもの居場所とそれから学校との子どもに関わる情報の共有は大変重要だというふうに考えています。お互いが子どものことについて情報を交換し、お互いで子どもを励ましたり、困っていることについて解決を目指していくということは大変大事なことなので、学校と子どもの居場所との情報の共有についてはしっかり進めていきたいと考えております。
中村圭介
   ぜひよろしくお願いします。学校を地域に開いてほしいという声はたくさんある中で、子どもの居場所にどれだけのリソースを割くことができるのかとかいうのはまた検討する余地はあるのかなと思うんですけども、積極的に検討をしていただきたいと思います。  次に、資料を作ってきましたので、映していただきたいんですけども、お手元のタブレットのほうで資料を確認してください。①②③ありまして、当局作成の政策説明資料及び担当課へのヒアリングによって私が作成したものであります。  ①に関しましては、当初予算の説明の中で、前年度12月末時点の実績として書いてあったものですので、先ほど答弁にあった数字と若干違うものもありますけども、傾向としては掴めるかなと思いますのでご覧いただきたいと思います。  居場所型学習支援エンカレッジについては、人数がだいぶ増えていますよと。そして答弁の中にあったのが学習支援の場なのか、それとも学習支援以前の場なのかというわけ方で2つ事業が設けられているということでありました。  そしてボランティア団体等居場所に関しましては今、33団体あるわけでして、この一覧がマップとしてあって、そこに食事をする場所、学べる場所、遊ぶ場所という重複するものもあるんですけども、食に関して支援できるところが26団体、学びに関して15団体、遊びに関しては7団体となっております。  そして②のほうを見ていただきますと、子ども寄添支援員に関しては、毎年支援をする人数というのは増えているわけです。そしてただ支援員の数自体は増やすことは今、なかなか難しい状況があるのかなと思います。支援員の人たちもマンパワーに限界があると思いますので、しっかりと働けるような環境がつくられているかどうかということも気にしていただきたいと思います。  そして③のむぎほ学級のほうを見ていくと、宿泊体験や職場体験、これは希望がなかったということで実施が0回というふうになっているわけですけれども、人数にしては、平成29年の決算の資料と平成30年の決算の資料を見ると人数は増えているけども、体験の回数としては減っているものも多く、増えているものと言えば、特徴的なのはサマーむぎほはじめ学習についてであります。①と③を並べて見ると、どうも那覇市のこどもの貧困対策支援事業というのが学習に少し偏りがあるんではないのかなと思っております。  勉強を頑張る子に対して支援をしていくというのはもちろんいいと思うんですけども、勉強以外のことについても安全・安心に過ごせる、自分がここにいてもいいんだと思えるそこが居場所の良いところだと思います。そこでしっかりと自己肯定感を育んでいくそういった期間をつくっていくことが必要だと思いますので、学習だけにかかわらず、居場所をしっかりとつくっていただきたいというふうに思います。  そこでまた(7)のスタディクーポンになると、これもやっぱり勉強を頑張る子、もっと頑張りたい子応援しますよということなんですけれども、じゃこのスタディクーポン使える、自己肯定感がある程度高い子にしかやっぱりこれは手が出ないものだと思いますので、まずはこのスタディクーポンもいいんですけれども、全ての子どもが安全、安心に過ごせる場所をどうやってつくっていくかそのことをまずしっかりやっていくべきではないかと思います。  また、スタディクーポンはやることが決まって、今、中身を検討中というのは効果が出るのだろうという見通しで、事業をつくっていくのであればいいのかなと思うので、そこら辺が予算の都合もあったと思うんですけども、順序としてどうかなとは思っておりますので、市長に再質問をしたいんですけども、スタディクーポンもいいんですが、まずは全ての子どもが安全、安心に過ごせる場所をつくっていくそれが行政の責務としてあるのではないかと思いますが、見解をお伺いします。
城間幹子 市長
    お答えいたします。  圭介議員がおっしゃっていた、こうするよりもこうというような考えは私自身の中にはなくて、これも必要、こういう場面も必要というふうにご理解いただけると大変ありがたく思います。
中村圭介
   おっしゃることもわかるんですが、考え方として、まずはしっかりと受け皿をつくっていく、そしてその中から、頑張りたい子たちに対しても支援をしていくというところ、そしてまた、頑張る内容に関して、あんまり行政が勉強に引っ張っていくというよりは、その子たちの希望に寄り添いながら、頑張れる方向をつくっていただければいいなというふうに思っております。  そして、子どもの権利に関する条例についてでありますけども、ようやく検討部会が設置されたということで、ここで子どもの虐待に限らず、子どもの権利に関しての条例がどういうものがいいのかということが検討されるということですので、これは大きな前進かなと思っております。  子どもの権利条例というのが、総合的な条例である必要があると思っております。この虐待防止ですとか、健全育成条例という形で部署が絞られてしまうと、どうしても関係する部署のみが気にする条例になってしまいますので、例えば公園行政だとか、市営住宅だとか、納税に関するものだとか、さまざまな課題を全庁的に判断できるような総合的な条例がやはり必要でありますので、那覇市全体が子どもの権利をどうやって保障していくのかということを検討するときに、総合条例をしっかりとつくっていただきたいと思います。  川崎市のほうでは、子どもの権利に関する条例をつくるために、市民と子どもも交えて100回以上ワークショップを行ったということもありますので、庁内の検討を進めつつも、ぜひ市民にも声を聞いてしっかりとどういう条例が良いのか、そして子どもの権利とは何なのかということを熟議していただいて、市民も一緒になって条例をつくっていくそういう方向に向かっていければいいんじゃないのかなと思います。  早口ではございましたけども、私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。

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