質問内容
子どもの貧困対策事業について
動画はこちらをクリック
令和 01年(2019年) 9月定例会-09月09日-03号
グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。無所属の会中村圭介でございます。
きょうは、子どもの貧困対策事業について質問してまいります。
初めに、午前中糸数議員の質問の中にもありましたけれども、子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正についてであります。
この法律は、令和元年6月19日に交付されまして、つい先日9月7日・土曜日に施行がされております。もう既に始まっておりますので、那覇市としても早急に追いついて対応していただきたいと思います。
そこで質問します。
これは、法改正の中身なんですけれども、この法律の目的の中で、子どもの将来だけでなくて現在にも焦点を当てたものにしていくということ、そしてまた、子どもの権利条約の精神にのっとり推進していくことという点が変更されています。
また、基本理念の中で子どもの年齢等に応じてその意見が尊重され、その最善の利益が優先考慮され、健やかに育成されること、というのが盛り込まれております。
これは子どもの権利条約をかなり意識した文言になっているのかなと思っております。そして、きょう取り上げます市町村にも計画策定の努力義務が課されたということが大きな変更点となっております。
そこで質問です。
(1)子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部改正に伴い、市町村にも計画策定の努力が求められております。本市の対応をお伺いいたします。
その次、(2)についてですけれども、こちらは子どもの貧困対策事業に関する評価の仕組みの話です。例えば、子ども食堂に関しても今那覇市も補助事業を行っておりますけれども、同じ金額で事業をスタートするわけですけれども、事業を進めていく中でさまざまな変化が出てくるわけです。地域によっても違いますし、運営している事業者によっても違います。ボランティアの精神でできる範囲でやってみようと思って始めたとしても、参加者が増えていくにつれて、もっともっと提供したいと思うところもあれば、子どもの状態によって、もっとより専門的な相談をできるところにつないでいく、そのつなぐ、発見するという役割が本来の子ども食堂だったと思うんですけれども、実際つながった子どもがほかの相談機関につなげられるのかというと、子どもはやっぱり子ども食堂の方とつながっているわけです。
そうしたことで、子どもの期待に応えたいという食堂の方もいます。ただしかし、仕事をしながら子ども食堂をやったりしておりますので、子ども食堂に専念できるのかというとなかなかそこまでの予算措置がないという中で、子ども食堂がどうあるべきなのかということをやはり那覇市としてもしっかりと見出していかなければいけないのではないかと。そして、また居場所事業ですとか学習支援に関しましても、今委託事業の中でプロポーザルをしているわけですけれども、それぞれの事業もやはりそれぞれの特色がありまして、那覇市が求めているものにどれだけ実現できるものなのかということを問われているわけですけれども、今進めている事業、これがいずれプロポーザルかかるわけです。そのときに、こういう事業を実施して、こういう成果が上がりましたよというところで、またプロポーザルかかるわけですけれども、そのときにはほかの事業者とまた競うような形になってしまうわけです。
ですので、何を目的にしてやっている事業で、その事業がしっかり達成できているのかどうかということも事業者任せではなくて、那覇市としてしっかり計画を持って進捗を確認して、それが足りているのか、足りていないのかということも確認していく必要があるということで質問したわけです。これが平成29年2月です。その後の話でございます。
(2)平成29年2月定例会で、本員の質問に対し、「国や県の補助事業などにおきましては、統一的な成果報告を求められておりますけれども、実施している事業ごとの特徴を踏まえた目標管理、指標等の設定は重要であり、進捗管理を行う上でも必要であるものと考えております。
今後は、庁内の推進会議ですとか、あるいはそのもとに設置をいたしました部会において、しっかり検討してまいりたい」という答弁がありました。その後の取り組みをお伺いいたします。
残りは質問席より行います。
中村圭介議員の代表質問の1.子どもの貧困対策事業についてのご質問のうち、私からは(1)の計画策定に関する質問についてお答えいたします。
本年6月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が一部改正され、市町村においては、子どもの貧困対策に関する計画を策定するよう努める旨が規定されました。
本市としては、沖縄県における子どもの貧困率が改善の兆しはあるものの、いまだ全国のl.8倍となっている現実からも、今後とも子どもの貧困対策を推進することの重要性を強く認識をしているところでございます。
そのようなことから、本市では、国や県の交付金等を活用し、マスコミ報道でも高く評価されている、子ども食堂や居場所型学習支援事業といった子どもの居場所づくり事業や、子ども達一人一人に寄り添いアウトリーチ等を行う支援員の配置事業など、貧困対策のモデルとなるさまざまな事業を実施してまいりました。
また、長期的に腰を据えて取り組むため、こどものみらい応援プロジェクト推進基金もいち早く設置しております。
私といたしましては、子どもの貧困対策には今後も全力を傾けたいと思っており、子どもの貧困対策に資する計画の策定については、課題も含めまして、他市町村による策定状況等を具体的に調査してまいりたいと考えております。
代表質問の1の(2)平成29年2月定例会における答弁後の本市の取り組み状況についてお答えいたします。
本市においては、沖縄県子どもの貧困対策計画における指標等を本市の目標として設定し、未就学児のこども園・幼稚園の給食費補助や小中学生の就学援助の充実、学習支援などの居場所の運営など、さまざまな事業に取り組んでまいりましたが、指標のあり方については議会の議論の内容を庁内推進会議において報告したところでございます。
本市としては、沖縄県子どもの貧困対策計画の指標以外に本市の実情に応じた個別の指標を設定することは、先ほど議員のご指摘のとおり意義があるものだと考えております。
なお、子どもの貧困対策に関する計画については、今回の法改正等において市町村説明会の開催も検討されているとのことであり、市長からは、課題を含めて他市町村の事例を調査したい旨の考えが示されております。
そのようなことを踏まえ、計画策定及び指標設定などに関してどの程度のマンパワーや予算などが必要かを含め、他市町村の事例を調査してまいりたいと考えております。
まず(2)から聞きたいと思うのですけれども、前回の質問から2年半ぐらいたっております。この話の大事なところは、指標の推移、県の指標の推移が確認できたとしても、それが那覇市の取り組みによってのものなのか、また、那覇市の事業もさまざまありますから、それがしっかり効果を上げたのかどうかということを見える形にしていかないと、なかなか事業をどういうふうに継続していけばいいのかという今後の展望も難しくなってくるんじゃないかなと思いますので、この個別の事業をしっかり評価できる仕組みが必要だと考えております。
その間の子どものみらい応援プロジェクト庁内推進会議で報告をしたということでありますけれども、報告をされただけで検討がされたのかどうかというのが、ちょっと今の中ではわからなかったので、この開催概要ですとか、回数、議題についてお伺いしたいと思います。
庁内推進会議につきましては、政策統括調整監及び関係24課長で構成しております。その中で全庁的に連携して、子どもの貧困対策に取り組むというのが目的としております。
庁内推進会議につきましては、年3回ほど開催し、内閣府の沖縄子供の貧困緊急対策事業補助金や沖縄県の子どもの貧困対策推進交付金を活用し、実施した事業などについて、情報共有を図るとともに、協議を行うなどとして、本市の子どもの貧困対策を総合的に推進する役割を担っております。
また、細やかな調整を行う場として、庁内推進会議のもとに関係課による部会を設置し、横断的な取り組みを強化しているところでございます。
現在、4つの部会を設置しておりますが、去る7月に中学生の放課後の過ごし方について調査研究を行うための放課後の過ごし方部会を設置し、新たな取り組みをスタートさせております。
私の質問を受けての動きとしては、ほとんど見えなかったのかなというのが、今の答弁を受けての率直な感想であります。
ですので、この庁内推進会議が本当に子どもの貧困対策事業の評価を決めるのに適した会議体なのかどうかということも含めて検討していただきたいと思うんです。
きょうは提案なんですけれども、これはぜひ市民協働で個別の事業の評価の仕組みというのをつくってはどうかということを提案したいと思います。
これまで多くの事業を那覇市も行ってまいりました。生活困窮者自立支援法が成立する前からさまざまな事業を進めてきておりまして、全国的にも那覇市は先進自治体として視察の受け入れ等もしております。そうした事業者ですとか、また、有識者はおりますので、そうした方からも意見を聞きながらどのように評価していくべきなのかというのを検討していただきたいと思います。この子ども食堂がどうあるべきなのか、どういう子ども食堂だったらいいのか、また逆にどういう子ども食堂であるべきではないのではないかとか、そういったことも含めてしっかり検討できるような内容の会議体をつくって、協議をして検討していく必要があるのではないかと思います。これは答弁求めます。
今、議員からご指摘があったとおり、本市ではこれまで市民協働を推進する中で、さまざまな施策の実現に向けては多くの市民の声を取り入れてきたものと考えております。
子どもの貧困に関する施策につきましても、行政の観点からだけではなく、広く市民の声を取り入れ、事業を評価していくことも効果的な事業の実現に資するものだと認識しております。
今後、市民協働の観点からもどのような形で市民の声を取り入れていくことができるかなど、その辺の事業評価についても庁内推進会議の場で検討していきたいと考えております。
先日、中小企業家同友会からこういう貧困対策についても一緒に取り組んでいきたいという旨のお話がございました。そういう民間事業者の方々を含めて、何らかの協議体について検討していきたいと考えております。
ぜひ検討していただきたいと思います。
その中で1点だけ注意していただきたいところがありまして、この評価の仕組みを考えようといったときに、この指標について調査項目みたいなものがたくさん出てくると、これはこれでまた事業者の負担になったりすることもございますので、そのあたりもしっかり配慮しながら目的が達成できるような指標というものも検討していただきたいと思います。
そして、1番目の法律の改正についてなんですけれども、先行自治体を研究していくということですので、研究はしていただきたいのですけれども、もう既に法律改正の前から独自の計画を策定している自治体もあります。千葉県の柏市ですとか、静岡県の島田市など先進自治体ありますので、そういったところもぜひ参考にしていただきたいです。やはり県の計画だけでは見えなかったところに対して市の計画を立てることで見えるようになることというのがたくさんあるかと思います。これは、対象者の把握というだけではなくて、今市が行っている各種事業が対象者に届いているのかどうかという認知の問題だったりとか、サービスを利用しているのかどうかといった問題、また、どんなサービスだったら利用したいのかといった未来の話、ニーズ的なものも含めて直接子どもたちにアンケートをとることもできると思います。これは大人がどんな場所を設けたいのかだけではなくて、子どもがどんな場所を求めているのかということの突合の機会にもなりますので、そういった機会をぜひつくっていただきたいと思います。
そしてまた、部署を横断するような計画になりますので、この子どもの貧困ってすごく多様な部署が一緒になって動いていかないといけないものだと思いますので、それが目に見える形でこの子どもの貧困対策に、自分たちの部署は、自分たちの事業はどこの分野に当たっているのだろうか、そしてまた、抜けや漏れがないかといった総合的な観点から体系的に見られるためにもこの事業計画というのは早目に策定していただきたいと思います。
改めて、こどもみらい部長になるのかなと思うのですけれども、貧困対策計画の策定について、もうちょっと決意をお伺いしたいと思うのですけれども、お願いします。
先ほども申し上げましたが、本市の現状からするとやっぱり子どもの貧困対策については、全力を傾けないといけないと考えております。その傾けるに当たっても計画的な対応が必要だと、それにはやはり総合的な計画もぜひ必要だろうと思っております。
ただ、一方で、マンパワーも予算もかかるというところで、これを本市全体の政策の中の優先度だとか緊急性、これを判断しながら関係部局と調整しながら計画策定ができるよう努めていきたいと思っております。
ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
この子どもの貧困対策事業につきましては、始まったばかりの初年度については、やはり予算が先について事業として走り出すというところで、その勢いをとめることがないように事業を進めながら、県の指標等を確認しながら進めていくということでよかったと思うんですけれども、それからだいぶ期間もたちましたし、実績も蓄積されてきたと思いますので、この段階で改めて市の計画を早期に策定していただきたいと要望いたしまして私の代表質問を終わります。ありがとうございました。