今日から教育福祉常任委員会の視察です。 初日は東京都豊島区にて東池袋フレイル対策センターを視察しました。
東池袋フレイル対策センターは、令和元年5月に開設されています。 その名の通り、介護予防の特にフレイル予防に注力した施設です。
フレイルは厚生労働省の解説ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202111_00001.html 健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ) によると、「健康な状態と要介護状態の中間の段階を指す」とされており 筋力のなどの身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会とのつながりなどの社会的フレイルに分かれるとされ、健康な状態からこれらのフレイルが連鎖していくことで急速に自立度が低下してしまうと指摘されています。また連鎖の入り口はその人次第であるとのこと。
そしてフレイル予防に大切なポイントは、「栄養」、「体力」、「社会参加」、それに「口腔」の”3プラス1”で、「食べて、動いて、人とつながる」というライフスタイルが効果的とのことです。(東京都福祉局)
センターには各種計測機器が設置されており、自分の体の状態を知ることができることに加え、フレイル予防のために開発された独自の「としまる体操」を毎日実施しています。
また、カフェが併設されておりフラッと立ち寄れる場所となっているのに加え 「おとな食堂」が孤立を防ぐ繋がりを作るとともに栄養ある食事を提供しています。 センターの利用は登録が必要で、令和5年時点で545人の個人と11団体がサークル等で活動しているそうです。
参加の入り口を複数つくり、各種フレイルを予防する取組がされていました。
現在は区内26か所の「区民ひろば」(小学校区単位で設置されており赤ちゃんから高齢者までどなたでも利用できる)へのアウトリーチも実施し、身近な居場所で多くの方が対策に取り組めるように活動を広げているとのこと。
わかりやすい成果としては介護保険の給付費(医療に掛かったお金)の減少としたかったがコロナ禍と重なったため、自粛のための利用控えなのか、健康な状態を維持できる人が増えたための減額なのか現時点では判別が難しいとのことでした。
今後の展開としては、介護予防、フレイル予防の拠点として機能強化を図り、区民ひろばとの差別化を明確にすることなどがあるそうです。
那覇市では主に地域包括支援センターと、社会福祉協議会が支援するふれあいデイサービスでフレイル予防の取組をしていますが、豊島区のように予防に特化した事業をつくり、包括とは役割分担をして、活動頻度を高められればさらなるフレイル予防につなげられそうですね。予防を手厚くして、健康寿命を延ばすことは高齢化が進む那覇にとっても大事な視点ですので、健康部と福祉部の垣根を超えた「ちゃーがんじゅう」について力をいれていかなければなりません。
東池袋フレイル対策センターは複合施設になっており、区民ひろばと中高生センタージャンプ東池袋が共存しています。区民ひろばを経由して多世代をつなぐ施設になっていることも長期的にフレイル予防の周知と実践の参考になると感じました。