本日からは期日前投票も始まっており、皆様の関心も高まっておられる ものと思います。
私の政治活動には「市民の手によるまちづくり」の実現というテーマが あります。 行政に「おまかせ」にするのではなく、積極的に関心を持って市政に関 わる市民が増えることが、住みやすい地域づくりにつながる。その上で 行政は市民の動きをサポートし、もっと動きやすく、意見や課題が見え やすくなるまちづくりを行おう、という考えです。
一言で表すと「市民参画」ということになるでしょうか。 そのためには「選挙」も大変重要です。仕組みをつくる市民の代表を選 ぶ機会ですからね。とはいえ、政党に所属しているわけではありません ので、選挙に関しては特定の候補を応援すること以上に、日頃、政治と の距離を感じている方々が政治をもっと身近に感じるためにはどうすれ ば良いかを考えています。 日頃の地域の課題も、ひいては市政、県政、国政の課題なのですから、 市民の政治参加の機会を生きたものにしたいのです。
基本的な考えとしては上記の通りなのですが、今回の沖縄県知事選に 関しては個人としてオナガ雄志さんを応援しており、市議会の会派「無 所属の会」としては出馬の要請を行いました。 オナガ雄志さんに出馬の要請をした理由としては、沖縄選出の自民党 国会議員が公約を撤回させられたことに続く知事の辺野古埋め立て承 認と怒涛の勢いで米海兵隊戦力の辺野古への移転が進められようとし ていることに危機感を抱いたためです。 沖縄県民が「どう在りたいのか」を自ら決めることができない状況、すな わち十分な対話がない中で粛々と決定されることが「是」とされてしまう 状況は、沖縄のみならず全国のどこでも起こりうることです。 このような状況は、地方自治の土台を揺るがす事態であり、避けなけれ ばなりません。
時代の変遷と共に米軍の戦略も変化し、沖縄からグアムやハワイ、 オーストラリアに海兵隊の分散が決定され、一年のうち9ヶ月ほどは沖縄 を離れることになる海兵隊の基地を県内に置く理由が政治的なものでし かなくなった状況で、空軍、海軍が駐留を続けている沖縄において、 海兵隊基地移転の機会を見過ごすことはできません。 このような状況で、腹をくくって「腹6分」で保革を超えたつながりで意見 をまとめあげ、沖縄のおかれた状況を内外に知らしめ、基地負担軽減 の可能性を模索できるオナガ雄志さんに立候補していただきたいと考 えたわけです。
その後、知事選と那覇市長選の「セット選挙」が模索されたわけですが、 私は県知事選と同じ枠組みで候補者を選ぶことはできないと候補者選 考委員の方にお伝えしました。 那覇市の市長を決める選挙ですから、市議会で政党や所属に囚われ ない是々非々の立場をとる私としては、候補者が誰になるのか決まる 前から枠組みを理由に支持を表明することはできません。 また、議員が選挙の枠組みを基に候補者の支援を決めてしまうと、 有権者は投票先を決める際の主体的な判断が難しくなる点も考えました。 若年者の投票率が下がり、諦めや拒否感が高まる状況において 「意見が決まっていない人」が意見を決めるための入口を確保する ことが必要です。 それが市議の仕事なのか?と言えば、厳密にはそうではないかも しれません。しかし、事実選べない、選ばない若者と一緒に考える 「政治に関わる人」がいなければその距離はいつまでも縮まりません。 政治に興味が持てないということを理由に情報を得られず、 「結局政治家や一部の人だけで決めている」と思う方を増やしたくないのです。 『議会と市民の距離を近づける』このことも「市民の手によるまちづ くり」の重要なテーマだと考えておりますでので、「選挙があるようだ けどよくわからない」という方に寄り添うような情報発信を行いたい と考えています。もちろん完全な公正中立はありえない。そのことは 認識しています。それでも、意見を決められずに悩んでいる市民に 対して自分の意見を押し付けない、組織ありきで判断しない市議が いることは那覇市にとって大事なことだと考えています。
さて、話を市長選に戻しますと、市議会において「無所属の会」は市 長に対して中立となります。しかし私も一人の有権者としてどちらか 一方に投票しますので、現時点での考えを記しておきます。 今回は城間幹子さんと与世田兼稔さん(届け出順)が立候補してお り、城間さんは翁長市政の継承発展などを、与世田さんは国際観 光都市としてのさらなる発展などを訴えています。 私は翁長市政で育てられてきた「協働によるまちづくり」の今後の 動向が特に気になっており、その点で城間さんに期待しています。 気になる点としては、城間さんが教育長をしていた時の久茂地小 学校・前島小学校の統廃合の過程で感じたこと、市民との対話を どの程度重視しているのかという点です。 今回初めての選挙を通して市民と意見を交わし「対話」に対する 考えが深まっていることを期待します。 与世田さんについては、那覇の施策の方向性としては概ね同意 できますが、市民活動や協働についての考え方が見えないことと、 城間さんに比べて政党色が強いことが気になります。 どちらにせよ、議員として選挙で選ばれた市長に対してチェック するという役割を忘れずに議論を重ね、共によりよい那覇市を つくってまいります。
選挙は、いつでも自分の考えと完全に一致する候補者を選べる わけではありません。むしろ一致する候補者を見つけられない ことの方が多いかもしれません。それでも考えが近い人、期待 したい人を選ぶのが有権者の責任です。白紙での投票も意思 表示の方法と理解しておりますが、しっかり悩んで誰かに決め ることで選挙後の関心を高め、政治参加の意識を養うことにつ ながると考えます。誰でも最初は「よくわからない」と思います。 それでも選挙の度に「自分の決定」を繰り返すことで、自分の 考えが磨かれていくものだと思いますよ。
まもなく、那覇市の全世帯に市長選の選挙公報が配られると 思います。選挙公報を、そして気になった点はチラシやホーム ページなども見ながら、様々な選挙の争点と今後の那覇市の あり方についてみなさまもぜひお考えいただきたいと思います。