視察3日目は雪の残る 福井県鯖江市です。 市民主役条例を制定 している鯖江市で 「オープンデータの活用について」 「JK課プロジェクトについて」 教えていただきました。
行政内での協働の浸透が とにかくすごい。
2010年に制定された 市民主役条例。(詳細はこちら) 特に素晴らしい基本理念 なので全文をご紹介します。 (基本理念) 第2条 わたしたちは、まちづくりの 主役は市民であるという思いを共有し、 責任と自覚を持って積極的にまちづくりを進めます。
2 わたしたちは、まちづくりの基本 は人づくりであることを踏まえ、それ ぞれの経験と知識をいかし、共に 学び、教え合います。
3 わたしたちは、自らが暮らす まちのまちづくり活動に興味、関心 を持ち、交流や情報交換を進める ことで、お互いに理解を深め、協力 し合います。
4 市は、協働のパートナーとして まちづくりに参加する市民の気持ち に寄り添い、その意思を尊重すると ともに、自主自立を基本とした行政 運営を進めます。
これは震えますね。すごい。
那覇はまだまだ足元にも及ばない 状況ですから、出来ることから積み 重ねつつ、こういう条例のような 目指すべき目標も必要だと感じました。
さて、この条例の先にオープン データとJK課があると考えると 理解しやすいですね。
オープンデータについては、 市民からデータシティ鯖江 (オープンデータの取り組み) を進めるべきであるとの提言を 市長が受けたところから始まったそうです。
公共のトイレのデータを皮切りに 行政が持っている様々なデータを 利用可能な形で公開していきました。 古地図データ、市バスの位置情報 やリアルタイムの乗客数、 AEDの位置、消火栓の位置など、 多岐にわたる情報を公開してきたそうです。
民間と一緒にアイデアソン、ハッカソン を行い、「何があったらいいか」 「どんなデータがあればできるか」 などを話し合い、どんどん実現する。 スマホアプリの完成で生活が ガラッと変わるわけではないし、 商業ベースにのるような開発は できていないけれども、協働で 課題解決を図る基礎となり、 多くの小さな成功と、失敗を 糧にこれから成長して いくのだということでした。
鯖江市は市民提案の事業を 積極的に推進し、職員がNPO等の 市民団体にインターンとして 参加する事業を実施するなど じっくり地域と向き合って協働を 進めています。 オープンデータにしても、すぐに 成果を求めるということではなく、 関係性の素地を大事に育ててい る段階だということですから、 那覇も見習うべき協働の姿だと感じました。 市民の地域を愛する気持ちに応える 市政でなければなりません。
オープンデータについては 気になりつつもなかなか手が 出せないところでしたが、 12月定例会で可決した 第5次那覇市総合計画にも オープンデータ化を進める と明記されていますから、 民間は民間で、とにかく 集まって始めてみるところ から初めてみたいと思います。 スマホアプリ制作など詳しい方! お力を貸していただきたいです。
そしてJK課プロジェクトは ざっくり言うと市政から 最も遠い存在であった 女子高生に市政に参画 してもらって、故郷について 考えて「いつでも帰れる 居場所」を作りたいという内容でした。
協働のパートナーとして なかなか関心を持って もらえなかった若者 その中でも女性に焦点を 当てて事業化する (地域の自治会長は男性 が多く、議員には女性が 2名しかいなかった) 様々な批判を浴びながらも 参加者が集まり、主体的な 活動ができるように配慮した ことで、大きな変化を生み出した。 (成果ではなく、変化を重視する事業) 女子高生だけではなく、 中年世代も立ち上がり、 男子高校生や小中学生にも 波及するなど、「地域のことを考えて 動く」まちづくりが他人事から 自分事になった市民が増えた という取り組み。 市民主役条例が生きてますよね。
4年目を迎えたプロジェクト についての詳細は鯖江市役所のホームページ またはプロジェクトのホームページをご参照ください。 是非見た方がいいです。
いきなりここまで信頼して 任せる事業ができたら面白い ですけど、その前に 那覇でも職員が市民団体で インターンを経験する事業が できたら面白いですね。 行政が協働の本気を見せる。 市民のやる気に応える。 それがないと信頼関係が 育たないですよ。 まずは行政の協働の意識を 徹底するところからですね。