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厚生経済常任委員会視察4日目金沢市

「近江町市場の再開発の取り組み」 についてお伺いしました。

昨日あげた地図ですが、この左下 が今回視察した「近江町いちば館」 という建物です。

金沢市にありますが、約300年前 に近江商人が作ったことによりこ の名前になったそうです。 かつての加賀藩の時代から市民 の台所として親しまれていたそう で、現在は卸売り市場は別にあり 「小売りの市場」なのだそうです。

建物の平面図はこんな感じ。

横からみるとこんな感じ。 アーケードの上には3~5階部分が ありますが、隠れて2階建ての商店 街に見えますね。

この通りの雰囲気を残すために 建物の中にアーケードを作って (その上には上階の床がある) 外のアーケードとの調和を目指し たそうです。

外のアーケード

いちば館のアーケード

太陽光があるかどうかの違い でわかるかな?というくらい。 ちなみに外のアーケードは テント生地の開閉式のもので 一定間隔で細かくエリアが 分かれています。 お店を閉めて帰るときに開けて いくのだそうで冬季は朝の 雪かきから始まるそうです。

アーケードの上はこんな景色。 昔ながらの建物も見られます。

再開発するにあたって、地権 者や再開発後に参入するお店 で構成される民間の組合が主 となって建てたそうです。 (那覇の公設市場は市が主体) 金沢市は支援に回るのですが 市としても近江町市場の雰囲気を 残すべく強力に支援したそうです。

再整備の事業費の概要です。 概算費約56.6億円 ・市のお金から18.8億円 ・道路整備関係で6億 ・開発エリアに国道が掛かってい たため、その開発費用の一部 が国から出るということで公官 費10億 ・ビルの3階・4階を行政に売却 して9億、その他保留床の売却 で10億 その他も合わせて合計56.6億円。

年間の維持費については家賃 収入と駐車場の売り上げ収入で 経費と相殺するとプラスマイナス ゼロくらいなのだそうです。

家賃は従来から高く設定されて いた魚屋さんと、安く設定されて いた八百屋さんの間を取った料 金になったらしいとのことです。

予想外に駐車場が繁盛している そうで、新幹線開通後にメディア への露出が増え、車で訪れる旅 行者が増えたのだそうです。

また、新幹線の開通で爆発的に 増えたのが外国人観光客で、 周辺のお店も多言語対応に 苦慮している様子でした。

長くなってきましたが、全部書い ておかないとね。

3、4階ですが行政が買い取って 近江町交流プラザになっています。 9時~21時まで開いています。

3階は それまで商店街を利用しなかった 若い親子の利用が増えるように ちびっこ広場(10時~18時) レンタルキッチンと食育広場 (10時~21時)があります。 1時間500円で子どもの一時 預かりもしており、買い物の 際に預けられるようにしたとのこと。 この後ろのところで子どもたちが 遊んでいました。

4階は 「まなびぃ広場」となっており 集会室や研修室、和室など があります。 また、市民センターが併設 されており、住民票の写し などもとれます。 市民センターは8時30分~ 17時15分 今回は4階で事業の説明を受けました

施設に連結されている北國銀行 再開発にあたり「曳家」の技法で 場所を移したそうで、外観も内装 もカッコよかったです。 耐震補強が施されていますが なるべく目立たないように細工 されていました。 上の階は現代アートのギャラリー 金沢アートグミがあり、銀行の 地域に対する貢献意識と金沢 の芸術をボトムアップしていこう という市民の意識が反映された 場になっています。

あと、那覇の商店街で問題に なっている「はみ出し」につい て近江町市場で工夫がありま したのでご紹介。 見えますかね?青い矢印の 先に赤い印が打ち込んであります。 ここより先には商品を出しては いけないという印です。 通りに沿って見ようと思えば 見えるように打ってあります。 はみ出しによるにぎわいの演出 もあり意見は分かれるところかも しれませんが、緊急車両が通れ る幅は確保しておかなければ いけませんので、那覇でも必要 なところには導入してもいいの ではと思います。

那覇の公設市場の再整備が 検討されている中で今回の 近江町市場を見られてたことは 良かったのですが、那覇とは 条件が違うところも多いので 課題を小さく分けて那覇はどう するか?を考えていかなければ。

近江町市場と那覇で共通しそう なところと言えば「小売りは1階で」 というところでしょうか。 近江町いちば館は地下もある のですがそこはあまり集客が 芳しくなく、空きコマを壁で囲っ た個所があったり、地下の テナントが地上の空きスペース にワゴンを出していたりしていました。

3、4階は行政に、5階も保留床 として売却しているので、実質は 地下1階~2階の3階分で商売 をしているのですが、「身の丈 にあった規模にしたつもりだったが、 ちょっと背伸びしてしまったかも しれない」とお話しされていたのが 印象に残りました。

また、市場の上階にまちなかの 居住人口を増やすために市営 住宅を造る案もあったそうですが 検討してやめたそうです。 理由は市場の「におい」だったそう。 確かに、生鮮鮮魚などを扱うお店 がひしめき、食べ歩き用の露店か らなにから、いろんな匂いがします から、その上に住むには難ありと 判断したそうです。

観光客であふれて、赤字になって いない。そして市場の雰囲気を 可能な限り残す、という目的が 果たされていたのはすごいと思いました。 一方、かねてから若い世代が市場の 相対売りに馴染めず、市場離れが 続いていたなかで、再整備後に 呼び戻せたかというとそれは 課題が多いようで、新幹線開通 に伴って観光客が爆発的に増えた ことで、かえって地元客の足は 遠のいてしまったというお話も 伺いました。

市場の近くで市民にお話しを伺うと 「地元の人が離れていった市場 を観光客向けに再整備して、地元 の人にも来てもらおうというのは 無理があるんじゃないかな」 というご意見がありました。

市場が何を大事にするのか、 誰に対して商売するのか。 それが現状を表しているのだと 思いました。 市場に慣れた世代が買い物に 来てくれるうちはいいとして、 その先はどうするのかという問題。

それは那覇でも同じことが言え るでしょうから、今後、どんな 市場にしていくのか、市民と 行政が一緒になって議論できる 関係性を作り直して、真摯に 話し合っていかなければ いけません。

視察の報告は以上です。 さぁ日常を頑張ろう!

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