視察が始まりました。 初日の今日は神戸市にて 1SIBを活用した糖尿病性腎症等の 重症化予防事業 2協働と参画推進の取り組み について教えていただきました。
SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド) については議会でも取り上げ、会派として も那覇市での導入を訴えているものです。 神戸市では、3年計画で2017年度から 3年の計画で予算計上し、事業を行ってい るのでその経過や手ごたえ、手続き等につ いてお伺いしました。
SIBは将来的な自治体の財政負担を減らす 事業手法として注目されていますが、 実際には事業をコーディネートできる団体 が少なく、官民がしっかり連携を取りなが ら実績を作って検証していく、という段階 です。 神戸市ではDPPという団体が、糖尿病性腎 症の重症化予防のために早期に保健指導を 行うことでそうした指導をしなかった場合 に比べて、各種数値が良くなるだろう(重 症化を防げるだろう)という見立ての下、 事業を実施していました。
担当の職員の方は 「SIBを活用することで事業の成果を見える 化できる」 (保健指導することでどうなったのか見え る)ことが大きな変化だったとおっしゃっ ておりました。
費用対効果については、正直まだ手探りの ところもあり、従来通り保健指導を行うよ りもコストはかかっているとのことでした が、長い目で見た時にどうなるのか気になりますね。
特に印象に残った話としては、行政は なるべく口出ししないように心掛けた というお話でした。 これは大事ですよ。 従来の行政が仕様書を書いて委託を出す という形ではなく、事業の成果について 約束をして委託する(そして成果が上がれ ばお金を払う) という契約ですから、事業を実施する団体 のノウハウをそのまま活かすことができます。 そして、ノウハウの詳細を明かさずに事業 を実施できるので、団体の技能を守ること にもつながります。
那覇ではどういう形で実施できるのか、 NPOや行政、中間支援団体等とも協議しな がら実施に向けて動いていきたいです。 そして、協働と参画推進の取り組みについ て神戸市は、平成28年3月に 「地域コミュニティの施策の基本指針」 というのを作っています。 目的は 人口減少社会を見据えた総合的・自律的 な地域コミュニティの環境づくり となっており、 地域の担い手不足、活動の多様化 地域活動の地域差などの、地域コミュニテ ィの課題解決と、行政のタテ割りによる連 携不足などの行政課題の解決を目指した指 針となっています。
この指針を基に各区毎に 地域コミュニティ支援アドバイザーを配置 して区の中にある地域コミュニティの課題 についてアドバイスできる体制を整えたり 地域の基礎データを公開して、地域の特性 や統計情報などの客観的な資料を入手でき るようにしています。 その他にも、人材の育成につながるような 拠点づくりや事業の実施などもしているそうです。
那覇市では小学校区まちづくり協議会 の設立が進められていますが、その先に どんなまちづくりをしていくのか、につい てはまだ漠然としています。 神戸市のように、地域活動の課題の何に取 り組むのか、具体的な目標を持つことが非 常に大切だと感じました。 都市の規模の違いはあるにせよ、那覇は 那覇で協働によるまちづくりでどんな地域 課題の解決しどんな地域をつくっていくの か、示すべきだと改めて感じました。 神戸市議会の議場でも記念撮影
明日は兵庫県尼崎市でSIBを活用した若者 の就労支援アウトリーチ事業についてです。