質問内容
- 地域包括ケアシステムの構築について
- 公民館行政について
- 指定管理者制度について
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[ 平成 30年(2018年) 6月定例会-06月12日-05号 ]
■中村圭介
グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。無所属の会、中村圭介でございます。一般質問を行います。
きょうは地域包括ケアシステムについて、そして公民館行政についてと、指定管理者制度について質問してまいります。
まずは、地域包括ケアシステムの構築について質問いたします。
地域包括支援センターが今年度から18カ所に増えたことを受けまして、現場はどう変わったのかということが気になりまして、今回、複数箇所、4カ所の地域包括支援センターを訪ねまして、職員さんからお話をお伺いしてまいりました。私の時間の都合上で18カ所全部を回ることはできませんでしたが、お話を聞いた限りでは、どの施設も熱心に取り組まれており、徐々にではありますけれども、地域包括支援センターが福祉の窓口として地域に認知されてきていると感じております。
特に地域によって取り組みはさまざまでしたが、地域住民との関係づくりについては、どこも課題として認識し、力を入れているようでありました。
保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャー、認知症地域支援推進員が配置されていることは以前からアナウンスがあったかと思うんですけれども、生活支援コーディネーターについて、その周知があまりされていなかったのではないかと思いましたので、まずその役割について、それから認知症地域支援推進員との兼務となった経緯について質問いたします。
(1)地域包括支援センターの生活支援コーディネーターと認知症地域支援推進員が兼務となった経緯をお伺いいたします。
●長嶺達也 福祉部長
お答えいたします。
本市では平成27年度より認知症地域支援推進員を各地域包括支援センターに配置し、生活支援コーディネーター業務も兼務しております。生活支援コーディネーターは、日常生活圏域においてさまざまな関係機関と連携しながら介護予防・生活支援サービスの創設及びネットワーク構築を主な業務としています。
一方、認知症地域支援推進員もさまざまな関係機関と連携を図りながら認知症の人や家族への支援体制の構築を図ることを主な業務としており、ともに地域へ出向き情報収集、関係機関との連携構築など共通する部分も多いため兼務としているところでございます。
■中村圭介
ありがとうございます。
重複する部分も多いということでありましたけれども、お話をお伺いすると、やはり地域のニーズに合ったサービスを創出していくというところ、地域づくりについて、特に苦戦されているというところで、認知症の地域支援推進員の業務だけでも大変な中で、生活支援コーディネーターもどこまで充実させていくのかというところが課題だというふうにおっしゃっておりました。
つまり、この役割、地域のニーズに合ったサービスの創出をどこまで地域包括支援センターに求めるのかというのが現在の那覇の課題なのではないかというふうに考えました。地域によって資源が違う中で、スローガンである地域の中で支え合い、高齢者が生き生きと安心して暮らせるまちを実現するには、地域づくりに必要とされる業務に地域差が大きいというふうに感じております。
例えば公民館がある地域とない地域、公民館が福祉に力を入れた事業に取り組んでいるところもあれば、そうでないところもあります。小学校や中学校でもうまく連携しているところもあれば、そうでもないところもあるわけですね。自治会があるところ、ないところ、自治会があっても自治公民館のような集会所の有無でも変わってまいります。団地の有無についても同じことであります。
つまり、地域包括ケアシステムを構築するためには、地域包括支援センターに力を入れてもそこにつなぐまでの地域づくり、そして地域包括支援センターからの地域の受け皿づくりが不可欠であります。
そこで質問いたします。
(2)地域包括ケアシステムの構築に向けた地域づくりがスムーズにいくように、他部署との連携をさらに高める必要があると考えております。現在の学校、公民館、商工関係、道路、公共交通等、他部署との連携状況をお伺いします。
●長嶺達也 福祉部長
お答えします。
本市では地域包括ケアシステム構築に向けた他部署との連携といたしましては、第7次なは高齢者プランにおいて、各部署が取り組む事業を位置づけて推進しております。例えば生涯学習部との連携による学校地域連携室を活用した介護予防事業の展開、環境部との連携によるアシスト収集を活用した高齢者の見守り支援等がございます。さらに、地域包括ケアシステム構築に全庁を挙げて取り組むことを目標に、副市長を先頭に全部長で構成する地域包括ケアシステム庁内推進会議を開催しているところでございます。
■中村圭介
ご答弁ありがとうございます。
さまざまな部署で関連する取り組みを行いながら、全庁的にも情報共有していることがわかりました。今の答弁になかったんですけれども、私が聞き取りをした中の事例として、地域住民に集会所が欲しいという要望を受けて、包括支援センターがまちづくり協働推進課に相談して、実際に集まりに来てもらって、集会所についての勉強会をしたというのがありました。
また、小学校との連携についても実行しているということでありましたけれども、お話を聞く中では、これまでいろいろ話し合いをしながら、やっとことしになって小学校と連携して認知症サポーターの養成講座ができるようになりましたというようなお話もありました。徐々に広がっているとはいえ、これは行政が組織横断的に協力することでもっと活発になる余地が十分にあるというふうに感じております。
地域包括支援センターに力を入れるだけで地域づくりができるかといえば、それにはやはり限界があります。地域包括ケアシステムのモデル図に示されているように、多くの部署、団体、法人等が連携して地域づくりを行わなければなりません。そのためには、ちゃーがんじゅう課だけではなく、関連部署の全てで地域包括ケアシステム構築のために何ができるのかを考えて実践していかなければなりません。
住宅政策でいえば、県の事業で、一部市町村で行われております住宅リフォーム助成事業のような補助の検討というものもあるでしょうし、自治会支援でいえば校区まちづくり協議会の準備会設立支援等、今後はもしかしたら運転免許の返納についての相談なども増えてくるかと思いますので、そうした講習会や公共交通の充実も待ったなしの問題になってくるのではないかというふうに思っております。恐らく各部署で考えていけば、それぞれで何かしら取り組む課題というものが出てくるのではないかというふうに考えております。
現状を見ていると、地域包括ケアシステムについては、地域包括支援センターに頼りすぎていないかということを大変不安に思っております。地域包括支援センターは医療、介護、福祉の総合窓口でありますけれども、その総合窓口が力を発揮するためには、これまでも申し上げましたように、地域づくりが欠かせません。しかし、センターを請け負っている団体の多くは、医療法人や社会福祉法人であります。地域づくりについては、しっかりとしたサポートがさらに必要になるというふうに考えております。公民館、学校、団地、公園等々、もっと開いていって連携を深めていく必要があります。
また、民生委員さんに頼りすぎないことも大事だと思います。地域づくりの支援をもっと積極的に行っていかなければなりません。民生委員さんも、ちゃーがんじゅう課以外にもいろんな部署が民生委員さんの力を必要としておりますので、福祉が地域に配置するという時流の中で、責任感をもって活動していただいております民生委員さんでありますが、やはり活動にも限界があります。民生委員・児童委員のなり手不足は深刻な状況が続いております。社会福祉協議会に間に入っているとはいえ、その実績を見ながら必要があればもっともっと行政が介入していくこともあってしかるべきではないかというふうに思います。
端的に言って、誰が地域づくりをしていくのかといえば、やはりそこに暮らす市民であります。しかし、これまでの経緯があって、現在があるわけですから、地域づくりが円滑にいっていないところや維持が難しくなってきたところに対しての支援なくして、地域包括ケアシステムの実現は難しいと考えます。
第5次那覇市総合計画でも、「互いの幸せを地域と福祉で支え合い誰もが輝くまちNAHA」という目指すまちの姿を描いていますので、その実現に向けて積極的に取り組んでいかなければなりません。
那覇市として、地域包括ケアシステムを構築するために、行政の縦割りを早急に打破し、地域づくりの支援を多方面から進める必要があります。この問題については再質問したいのですが、次の(3)とあわせて知念副市長にお伺いしたいと思います。
行政の縦割りと関連があると私は考えておりますけれども、地域で活動する各種組織の圏域が統一されていないことは以前から問題としてわかっていたことであると思います。しかし、担当課の横断的な調整が難しかったことでなかなか統一的な圏域にならなかったのではないかと思います。
地域包括ケアシステムの指す地域というのがどこなのか、総合計画で小学校区と定めたのであれば、やはり今後はそこを目指していくというふうに思うわけですけれども、一方で、従来の生活圏域と大きく違う区割りについては、そもそもの小学校区の検討、または昨日、桑江議員が指摘しておりましたように、柔軟な利用エリアやルールをつくる形での対応をとるなど検討していただきたいと思います。
確かにどんな区割りをしても地域包括支援センターから遠くなってしまうエリアの境界部分が生まれてしまうことは仕方がないと、そこは理解はしているんですけれども、しかし、小学校区や人口割りで地図に線を引いた地域というものと、実際に人が生活する生活圏が一致するかというと、そこは考えにくいわけでありますね。区割りの影響をなるべく小さくするためにも、運用の中で出てきた声に耳を傾ける必要があります。
将来的な地域包括ケアシステムの確立に向けて、現実と理想のすり合わせをした上での調整になるように配慮が必要であります。区割りの調整はちゃーがんじゅう課でもまちづくり協働推進課でもなく、やはり市として統一的に行う必要があろうかと思いますので、質問いたします。
(3)民生委員・児童委員協議会、小学校区まちづくり協議会、包括支援センターなどの圏域の調整について、行政の縦割り解消の件もあわせて今後の見通しをお伺いします。
●知念覚 副市長
お答えいたします。
まず、ちょっと総括をしたいんですけれども、国の政策の方向性ですね。例えば介護保険法における地域支援事業、それから地方創生も最たるものでありますけれども、地域共生社会の実現、これは厚労省が推進しているものです。いわゆる「地域でできることは地域で」という政策に日本全体がそういう政策転換を図っているのが現状でございます。
地域包括ケアシステム、これは代表的な例だろうと我々も思っています。本市もその流れで当然、同様な政策を進めているんですけれども、その際、那覇市における地域はどのように構築して、それぞれをどのように結びつけていくか。これが大きな課題だろうなということで、今、取り組んでいるところでございます。
その単位として、小学校区が一番ふさわしいのではないかということで、「めざすまちの姿」で、第5次総計でもそれを目標としてやっていこうというところで今、進めているところなんですけれども、手始めてとして、校区まちづくり協議会の設立支援とか、それから地域包括支援センター、それから民児協の圏域ですね。まず、こういう圏域の見直しを図るということをしていますけれども、重要なのは、しっかりとした地域を、地盤をつくりあげると、それを連携させて那覇市全体につなげていくということが重要でございまして、地区割りとか、その中で事業の枠にとらわれて、かえってこれが弊害になるようであれば、それを乗り越えていく柔軟な発想も必要だろうというふうに思っています。
ですから、走らせながらいろんな弊害は出てきますけれども、それを一つ一つ丁寧に乗り越えて、これからまた突き進んでいくということで頑張ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
■中村圭介
ご答弁ありがとうございました。
なかなか現場のほうではどういうルールづくりになっているのか。どういう考えのもとで今、進んでいるのかというところがしっかり下りてきているのかなというのは少し不安なところもありますので、今、おっしゃっていたようなことをしっかりと現場のほうにも下りていくように、ますますの連携を図っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、2.公民館行政について質問いたします。
公民館をより多くの市民に開かれた施設にしていくために、公民館がどんな場所なのか、改めて周知する必要があると考えますし、市民が、自分が住んでいる地域以外の公民館の活動について知る機会をつくることで、公民館の活用方法に気づき、生涯学習の活性化につなげることができるのではないかと考えております。
また、公民館の年間計画や昨年度の取り組み成果を報告することで、公民館が考えていることを市民に対して発信することができます。例えば館長による年度方針演説などがあると、職員の熱意や人柄なども伝わって、市民とのよりよい関係づくりにもつながるのではないかというふうに思っております。
そこで質問です。
公民館の年間計画や昨年度の取り組み結果を市民に向けて発表する取り組みをしてはどうか、見解をお伺いいたします。
●屋比久猛義 教育委員会生涯学習部長
ご質問にお答えいたします。
公民館の年間計画につきましては、毎年5月に大枠ではございますが、年間事業計画のチラシを作成して、各公民館や図書館及び市役所ロビー等に置き、周知をしているところでございます。
また、那覇市の公民館という冊子にも掲載して広報しているところでございます。また、毎年12月から翌年2月にかけて市内7館、全公民館で公民館まつりというものを行っております。定期利用団体が主体となって1年間の取り組みについての成果発表を行っていて、そういった場でも公民館の取り組みについて発表を行っているところでございます。
また、毎年3月には各公民館に配属されている社会教育指導員による社会教育指導員活動報告会を開催し、各公民館で行われた講座や学級等の成果報告を行っているところでございます。今後は、多くの市民の皆様が報告会や公民館まつり等へ参加していただけるよう、積極的に広報に努めてまいりたいと考えております。
■中村圭介
公民館が頑張っていることも大事なんですけど、公民館同士が切磋琢磨して、それを見た市民が、自分が利用している公民館をもっとこういうふうに使えるなとか、向こうの公民館でこういうことをしているのであれば、うちらももっと頑張ろうというふうな形で公民館を育てていく。その中で地域も一緒に育っていくというようなイメージが今後、大事になってくるのではないかなというふうに思うわけです。
公民館が待ちの姿勢ではなくて、地域の課題解決に積極的にかかわっていくためにも、もっと市民と深くかかわれるような公民館づくりというものを期待したいと思います。現状の仕組み、この法律の中でも、公民館にできることはたくさんあろうかと思いますので、ぜひいろんな機会をつくっていただきたいと思います。
次に、指定管理者制度について質問いたします。
(1)指定管理者制度が導入された2004年から14年目になるということでして、議会でもこれまでにも、そろそろこの制度について総括する時期にきているという指摘がされてまいりました。私も同じ考えであります。70近い施設で導入されている現状を見る限りでは、方向性としては指定管理者制度を推進してきたのかなというふうに思っておりますけれども、現在では入札の募集に対して応札がなかったり、また1件しかないといった課題もさまざまあろうかと思います。
各施設にて課題の整理と活用に向けての改善されてきている部分もあると思いますけれども、やはり全庁的に総括して、この制度に対する市の方針を見出すべきではないでしょうかということで質問いたします。
(1)指定管理者制度の導入について、総括するべきであると考えますが、当局の見解をお伺いいたします。
●仲本達彦 企画財務部長
お答えいたします。
本市では、平成16年度に指定管理者制度を導入して以来、その運用に取り組んでまいりました。これまで数度にわたり運用指針の改正を行い、モニタリング制度の充実等、新たな視点を加えながら、個別具体的な課題に対応してきたところでございます。
本市といたしましても、今後のよりよい指定管理者制度の運用に向け、これまでの実績から顕在化した課題や、あるいは意見等を踏まえつつ、総括的な検証を行う必要があるものと認識しております。
■中村圭介
ご答弁ありがとうございました。
総括の必要性については理解していただけたというふうに理解しました。
先ほど申し上げました公民館なども現在2館が指定管理者制度を導入されておりますけれども、その他の館については導入されないまま指定管理者の更新も迎えているわけですね。その状況についてもしっかり総括しないと本当にそれでよかったのかどうか、また、この後、どうなっていくんだろうかということも考えがはっきりとはわからないわけですね。指定管理者制度についての総括をぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後の質問なんですけれども、もう少し具体的にお尋ねしたいと思います。
他の自治体では既に指定管理者制度について方針を当初から少し検討を重ねながら変えてきて、労働条件に配慮した内容にしたり、専門性を考慮した予算措置を行うなど、持続可能な方法を模索しております。那覇でもそうすべきではないかと思い、質問いたします。
(2)所管部で個別に判断している条件のうち、人件費や管理費など共通する課題については、指定管理者制度に関する運用指針の中で具体的に改善するべきではないでしょうか。見解をお伺いします。
●仲本達彦 企画財務部長
お答えいたします。
指定管理料につきましては、指針に基づきまして、施設ごとに指定管理者が行う施設管理、業務内容などについて必要とされる経費を総額で算定しております。これは施設の種類ごとにその管理業務の内容が多種多様であり、各施設の状況等を踏まえ、個別具体的な判断を必要とするとの考えからでございます。
一方で、これまでの実績を踏まえた個別の課題等を集約し、共通課題として整理する必要性は十分に認識していることから、今後、他の自治体の事例を収集し、調査研究に努めてまいりたいと考えております。今後は、総括的な検証等を踏まえつつ、課題への適切な対処が図れるよう、指針の見直しについても柔軟に対応してまいりたいと考えております。
■中村圭介
ありがとうございます。ぜひそのように進めていただきたいと思います。
他市の事例も十分研究していくと、やはりいろんな施策をとっているところはありますので、参考にされていただきたいと思います。
そしてまたこれは公契約条例にもかかわってくるところだと思いますので、調査検討、それから実行をしっかりと対応をよろしくお願いしたいと思います。
以上、私の一般質問を終わります。イッペー ニフェーデービル(どうもありがとうございました)。