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平成27年度2月定例会一般質問

質問内容

  1. 地域と学校との連携について。
  2. 協働によるまちづくりについて。

一般質問の動画はこちらからご覧下さい。

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ハイサイ。無所属の会、中村圭介でございます。

本日は質問に入る前に、那覇の伝統芸能の環境を取り巻く変化が少しございましたので、首里汀良町の獅子舞についてお話を少しさせていただきたいと思います。

首里汀良町の獅子舞は、首里手と呼ばれる空手の型をもとにつくられたとされており、現在は6つの演舞を継承しております。

昭和62年に那覇市の無形民俗文化財に指定され、県内で最も古い歴史を持つ獅子舞であると言われております。

獅子の頭を面と呼んでおりますが、これはデイゴの木でできており、現在、十五夜祭りで使用している面は、首里城周辺で台風の際に倒れた古木を利用して彫られております。

制作に当たっては、一刀彫と呼ばれる技法で、大きな塊から削り出していく方法でつくられています。

寄せ木といってパーツを分けて、その後縫い合わせるという方法もあるのですが、それではなかなか激しい動きに耐えられずに、またあごの形状も汀良町独特でありまして、かなりの強度が要求されるものとなっております。

うるま市に工房を構える県認定の工芸士、杢陽に勤めてらっしゃいます高良氏に制作をしてもらっておりますが、彫の技術はもちろん、強度の確保、表面の漆の加工など、さまざまな要求に応えていただき、地域が誇る獅子に仕上がっております。

そして胴体は芭蕉です。芭蕉布として人気が高まっております糸芭蕉、この繊維を何色もの色に染めて、それを網に結びつけて胴体を形成していきます。

胴体は単色の獅子舞が多いのですが、汀良町の獅子は彩り豊かなことも特徴であります。

実はこの胴体の芭蕉の繊維の入手が、現在難しい状況になっています。

以前は同じ町内の宮平初子先生の工房にお願いをして、繊維の入手から染色までお願いしていたのですが、このほどこの毛を新調しようとしたところ、喜如嘉から芭蕉の繊維が手に入らないというふうにおっしゃっておられました。

調べてみますと、芭蕉布をつくるために芭蕉の中央の部位を主にとるわけですが、芭蕉布の人気が高まり、収穫に当たってはほぼ全て芭蕉布のために労力が割かれてしまいまして、獅子舞に使う芭蕉の外皮の繊維、やや粗い部位、ウヮーハーという部位なんですが、そこは商品としての価値が相対的に低くなってしまい、労力に見合わないということで、繊維の段階まで整正することなく捨てられてしまうこともあるそうです。

繊維を手に入れようといろいろ模索したわけですが、購入するとすれば相場が10年前の約3倍から4倍ほどになっており、とても手が出せるものではありませんでした。

外国の芭蕉はどうかと、大学で東南アジアについて研究されている方にも調べていただきましたが、植物学的な学名が違う、つまり品種が違うようで、やはり手触りも少し変わったりもしましたので、これもちょっと違うというふうに断念いたしました。

結局、糸芭蕉を地域の中で探して、分けてもらうことができそうで一安心したところなんですが、関係者のみんなで葉を煮詰めて繊維をとるところから自分たちでやってみようということになりました。

我々も、舞の継承というのはしてまいりましたが、繊維をとるというのは知識として知っている程度でありましたので、これから先はそういう新しいことにも取り組んでいかなければいけないのだなと、時代の変化を感じている次第であります。

沖縄の伝統的な楽器や食べ物なども、人気が出て県内での調達が難しくなる事例はあると思うのですが、獅子の件に関しては、芭蕉布の人気が高まる中で相対的に価値が低くなってしまったことで、入手が困難になってしまったということです。

芭蕉自体は強い植物でありますし、すぐになくなるというわけではありませんが、暮らしの中で育まれてきた文化の継承というところで考えるところがありましたので、皆様にも情報として共有しておきたくご紹介させていただきました。

それでは質問に入ります。

まず、先の代表質問でも取り上げましたが、今後の人口の推移を見ていくと、さまざまな面で少子高齢社会への対応を考えていかなければいけません。

そこで、子どもたちが那覇の伝統文化や芸能に触れる機会をつくり、地域文化への理解を深め、普及と継承発展へとつなげられる契機となるように、今行われている事業の対象拡大、もしくは扱うテーマの地域をより絞った形で実施できないか伺います。

1.地域と学校との連携について。

(1)現在保育所で行っている伝統文化継承種まき事業のような形で、中学校でそれぞれの地域の伝統芸能の継承についての取り組みができないかお伺いします。

田端一正 教育委員会学校教育部長 

ご質問にお答えいたします。

議員ご指摘の那覇市立保育所児童への伝統文化継承種まき事業は、各保育所に専門講師を派遣し、伝統文化に触れ合うことを通して地域の歴史や感性を育むことを目的としております。

今年度はわらべ歌、空手、琉球舞踊などの取り組みが行われております。

次に本市の中学校における伝統芸能の継承についてでありますが、運動会などでは空手やエイサーなどの集団演舞の際、各地域から青年会の皆さんなどに指導していただいていることが多くあります。

また、那覇地区中学校総合文化祭においては、太鼓や琉球舞踊、獅子舞、三線など、本市の中学生が発表しており、同時に多くの生徒もその舞台を鑑賞し、沖縄の伝統文化を学ぶ機会を得ることができております。

ほかにも旗頭フェスタにおいては、毎年地域の青年会などの協力を得ながら、今年も多くの小学校、中学校が参加することができました。

教育委員会といたしましても、今後も地域の伝統文化が継承できるように、各学校や地域と連携した活動を推進してまいりたいと考えております。

中村圭介

部長、ご答弁ありがとうございます。

現在、実施されている学校も多くあるということですので、そうした事例をまだ実施できてない学校等にも紹介していただきまして、地域密着の取り組みを可能な限り増やしていただきたいというふうに思います。

この地域の誰かがやるという伝統文化ではなくて、自分の地域の文化で、機会があればかかわりたいと思えるような接点づくりを推奨していただきたいと思います。

住む場所も、何を背負って生きていくのかというのも、もちろん個人の自由であるとは考えますが、地域にどんな文化があり、何を大事にしてきたのか、そういうことを十分に伝えることで、みずからのこれからをどう生きていくのかということを考える一助にもなると思います。

また地域の側からも、必要としていますということを表明する、それも地域のこれまでとこれからを考える上で大事なのではないかというふうに思います。

次にまいります。

これも先日の質問と関連しますが、地域貢献への意欲が高いシニアの方々の協力の申し出を、どうまちづくりに生かしていくのかということです。

例えば、NPO地域学校支援研究フォーラム、このNPOは首里地域を中心として、退職された先生方が多いのですが、学校に出向いて授業に遅れが出ている生徒に対して、授業を行ったり、園芸の指導をしたりと、それぞれの経験を生かして子どもたちの支援を行っています。

そして、またNPO那覇市街角ガイド、こちらは研修を受けて観光案内をすることから始まったわけですが、昨年は神原中学校の生徒さんを連れて、総合学習の時間にマチグヮーの案内をしたりしております。

観光地をはじめ、開南、小禄、首里、牧志、割とメジャーなところからマイナーなところまでしっかりと案内ができる、そういった技術を持った団体であり、今18の案内プログラムを持っているそうです。

そして現在72人のシニアを中心とした会員がいらっしゃるそうです。

例として2つの団体をご紹介いたしましたが、こうした活動に積極的に参画していくシニアは今後も増えていくと予想されますし、またそうであってほしいというふうに願っております。

小中学生にとって、先生以外の大人との交流というのは教育にとっても重要であると考えますし、学校でも可能な限りそういう協力の申し出を受け入れていくことで、地域の人の交流、つながりが多様になり、地域で子どもを育てる機運を盛り上げていくことにもつながっていくと考えます。

そのような趣旨で質問をします。

(2)NPO地域学校支援研究フォーラムやNPO那覇市街角ガイドなど、学校との連携が期待されるシニアを中心としたNPOが増える中、学校側は総合的な学習の時間など、どの程度地域と連携できたのかお伺いします。

田端一正 教育委員会学校教育部長 

ご質問にお答えいたします。

学習指導要領の総合的な学習の時間編には、指導計画の作成について、「学習活動については、学校の実態に応じて、地域や学校の特色に応じた課題についての学習活動を行うこと」とあります。

各学校におきましては、学校の実態に合わせた総合的な学習の時間の指導計画を立てており、市内小学校においては、ほとんどの学校が地域の特色を教材化し、取り組んでおります。

地域の方にコメづくりを教えていただき、わらを綱にするまでの学習活動に一緒に取り組み、地区豊年祭においてその綱を使い綱引きを行っている学校もあります。

また地域の自治会と交流し、地域の歴史や地域に伝わる獅子舞について学んだりしている学校や、地域のシニアと連携し、充実した環境整備を行っている学校もあります。

教育委員会といたしましても、今後とも地域の人材や地域教育資源の活用、学校と地域の連携を図ることができるように推進していきたいと考えております。

中村圭介 

ありがとうございます。

学校によって、また地域によっていろいろ事情はあると思いますし、連携の仕方もさまざまあると思いますので、広い視点で毎年毎年地域の中にどういった人材また技術が眠っているのか、確認しながら取り組みを進めていただきたいと思います。

この高齢者の生きがいを外からつくるまでもなく、自発的に活動されている方が多くございますので、とてもまた元気でございます。

健康寿命を伸ばしていく、そういう観点からも動向を注目していただきたいと思いますし、学校プラス行政プラス地域プラスNPOと、多様な関係で1対1、事業の委託や助成だけではない対等な関係で、多様な協働というものを進めていただきたいというふうに思います。

次に、協働によるまちづくりについてであります。

今年度の市民文化部の事業の新しい取り組みとしてスタートする市民協働大学院、私も非常に期待をしております。

(1)協働大学院の卒業生にはまちづくりコーディネーターの役割を担っていただきたいということですが、人数は何人ぐらいを想定しているのかお伺いいたします。

島田聡子 市民文化部長 

お答えをいたします。

まちづくりにおいては、さまざまな主体の参画があり、それぞれの考え方や意見を尊重し、つなげ、目標に向かって進むためにまとめていく役割、コーディネーターが必要になってまいります。

現在、活動しております4つの小学校区まちづくり協議会の取り組みにおきましても、コーディネーターの必要性が課題として上げられており、今後展開していく上では不可欠な役割だと考えております。

このようなことから、なは市民協働大学院におきましては、毎年1人でも多くのまちづくりコーディネーターが誕生するよう講座の実施を行ってまいりたいと考えております。

中村圭介

部長、答弁ありがとうございます。

小学校区コミュニティーモデルの中でもコーディネーターの必要性が指摘されているということで、またこの小学校区のコミュニティーモデルをどんどん広げていくに当たっては、協働大学院を卒業されたコーディネーターをぜひ小学校区に1人とか、そういった目標をもって協働大学院も運営していっていただきたいというふうに思います。

そういうふうに、小学校区に最低1人いれば頼もしいかなというふうに思いますし、また地区もかぶる卒業生の方もいらっしゃると思いますので、連携をしてよりよい地域の運営にかかわっていけるようなコーディネーターを育てていっていただきたいと思います。

そして2番目の質問、確認なのですが、認識が違うと後でがっかりしてしまうこともあるかもしれませんのでお尋ねいたします。

まちづくりコーディネーターに期待される役割とはどのようなものか、お伺いいたします。

島田聡子 市民文化部長 

お答えをいたします。

まちづくりというものは、自分が住んでいるまちをこんなまちにしたいというような希望に向かって進んでいくことだと考えます。

そこに行き着くまでには多くの人と夢を語り合い、お互いの意見を認め合い、助け合いながらも、さまざまな紆余曲折がございます。

その中で日々を楽しみながら周囲の人とつながり、希望に向かって進み続けられる人、そのような方の存在があれば、多くの人々が一緒にまちづくりに参加するものと考えております。

さまざまな主体の主人公である人と人をつなぎ、周囲の人を巻き込んで楽しみながらまちづくりを行っていく、そのような役割をコーディネーターに期待をしております。

中村圭介 議員 

ありがとうございます。

こんなまちにしたいと、語り合い、認め合い、そして助け合ってつながっていく人材、これはすばらしい人材だなというふうに思いますし、そういう人材をぜひ育てていただいて、活躍していただけるように期待しております。

さて、こうしたファシリテーション、会議の司会進行ですとか、意見集約ですね。そういった技術を用いて課題解決を図るプログラムとして、地域円卓会議というものがあります。

これを沖縄で実践している団体に、公益財団法人みらいファンド沖縄という団体がありますが、その説明によりますと、多様な主体が積極的に参画して運営する、お互いの力や課題を共有しながら対話を積み重ね、協働できる地域社会の実現を目指す場のことです。企業経営や行政政策、プロジェクト推進など、さまざまな分野で、マルチステークホルダープロセスが注目されており、これを実践する場として日本各地で実施されているとあります。

実際に私も何度か地域円卓会議の現場を見せていただきましたが、これがおもしろいわけです。

まず、課題設定が細かい。

どのような課題なら解決が可能か。また誰が集まれば解決ができるのかということを、この会議に課題を持ちかけるその地域の方とみらいファンドの方が何度も話し合いをして、準備を進めるわけです。

本気で課題を解決しようと集まりますので、ぼんやりしたテーマは出さないわけです。

先日、糸満で行われた円卓会議では、嘉手志川という湧水があるのですが、それを地区内外の人に気持ちよく使ってもらうにはという非常に限定されたテーマで非常に明確でございます。

それについてのステークホルダー、利害関係者といいますが、この場合は解決に向けた権限や情報を持っている人、また課題の当事者という感じなのですが、そういう人が集まって、課題を共有して参加者それぞれの紹介をしながら、それぞれの角度から課題をどんどん深堀りしていきます。

そして、テーブルを一周するころには課題のこれまで見えていなかった面までもが、このステークホルダーの皆さんが共有できるというわけです。

そして、また会場に集まった聴衆同士で話し合う時間もとられて、それを全体で共有する内容の濃い会議なので、その会議の議事進行、ファシリテーション、またその発言を要約しながら書いていく、そして後で総括する技術、これは相当熟練したものが必要とされますが、そうしたすばらしい協働による課題解決の手法がありますので、協働大学院の中でその一端でも学べるといいなというふうに思います。

島田部長もこの地域円卓会議に参加されたこともあると思いますし、またステークホルダーの1人として参加したこともあるかと思いますが、この円卓会議をどのように見ていらっしゃいますか。見解をお伺いします。

島田聡子 市民文化部長 

お答えをいたします。

議員がおっしゃるように、私も地域円卓会議へステークホルダー、そして周りの参加者としても参加した経験がございます。

また先日は、協働プラザに入居する団体の連携を深める講座でも、この円卓会議の手法を導入しております。

議員からもございましたが、地域円卓会議は地域の多様な主体がお互いの力や課題を共有しながら対話と協働を積み重ね、協働して課題解決に取り組む対話の手法ですけれども、これまであった従来のフォーラム等と違いまして、会場にいる全ての人がその議論に参加をすることができます。

また誰もが意見を述べやすい雰囲気があり、お互いを知ることや地域の課題解決に向けて一体感を醸成することができ、まちづくりの手法としてはとても優れていると感じております。

以上でございます。

中村圭介 

ありがとうございます。

まちづくりコーディネーターに期待される役割、それを果たせるように、何かしらの形でまた取り入れていただけないか、検討していただきたいと思います。

そして卒業後に地域に戻った卒業生が、実際にまちづくりのコーディネーターとして力を発揮できるように、サポート体制も充実させていただきたいと思います。

那覇市の協働によるまちづくり、これまでは理解者を増やして、またプレーヤーや協力者を増やしていくことに注力されてきたと思いますが、それに併せて意欲のある方のかかわれる受け皿、仕組みをつくることも重要です。

行政が全てお膳立てをするのではなくて、地域の中から課題を発見して解決できるようなツールを地域へ還元していく、協働推進課が協働を引っ張るところから、課題の担当部署のサポートに回る、そして行政各部署が協働の1プレーヤーとなって、推進課が全体のサポートをしていくというように、中長期的な目標を設定して、確実に歩みを進めていってほしいと思います。

また協働プラザ、つくる以上はフル活用して、協働によるまちづくりを力強く推進していただきたいと思います。

以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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