質問内容
- 市長の施政方針について。
- 協働によるまちづくりについて。
代表質問の動画はこちらからご覧下さい。
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ハイサイ。無所属の会、中村圭介でございます。
今回は、先日、発表されました市長の平成27年度施政方針について、
その中でも協働によるまちづくりについて質問をしてまいります。
まず、施政方針についてですが、2ページ目で早速、協働によるまちづくりについて述べておられたことはうれしく思います。
しかし、そのタイトル「協働の仕組みの完成に向けて」という表現が気がかりでございました。
といいますのも、私は協働の仕組みに「完成」という言葉はあまりなじまない性質のものだというふうに考えているからです。
市民との協働が成熟していくにつれて、時代に合わせて仕組みを変えていくべきであり、常に見直すことが肝要です。
立ち止まることなく、見直すということを前提とした仕組みづくりを進めるべきではないでしょうか。
そこで、1つ目の質問です。
(1)協働の仕組みの完成とはどのような状態を想定した表現なのか、市長の見解を伺います。
さらに施政方針、その後の文で、「自立した活動を中心とした新たなステージへと発展させなければならない」と続くわけですが、これはAからBへというような移行ではなくて、現段階の那覇市はA+Bというような積み上げ、つまり協働によるまちづくりを共有していく、または広げていく。
そうした活動も今後も継続していかなければ、協働が一部の方たちのやるべきことのように認識されてしまっては困るわけです。
城間市長、協働によるまちづくりの継承・発展に力に入れていきたいというお気持ちは理解しているつもりですが、急いで計画を進めてうまくいくような性質のものではありませんので、那覇市の現在の立ち位置を確認しながら、少しずつ進めていただきたいと思います。
そこで、2点目の質問です。
(2)「自立した活動を中心とした新たなステージへと発展させなければならない」とあるが、現状をどのようなステージだと認識しているのか。
また、自立した活動を中心とした協働とはどのようなものをイメージしているのか、見解を伺います。
そして、協働によるまちづくりについての質問です。
仕組みの充実ということを考えたときに、考えなければならないことの1つが評価の仕組みであります。
協働していい結果が出たのか、改善するとしたらどこなのか。
これは協働の事例をつくるために協働するのではなく、那覇の課題を解決するために協働するわけですから、その振り返りというのが必然となります。
そして、行政と一緒に事業をつくり提案していくという事業提案制度。
名前は全国いろいろありますが、那覇市もこれまで行ってきた市民発案の事業に対して助成するというものではなく、補助金とか助成金ではなくて、自治体が抱える課題をもとに事業提案を募集して、予算の範囲内で採択されたものを、NPOと行政担当部署との協働で実施する方法。
これ群馬県などが取り入れているわけですが、そうした方法、またはこの事業の企画そのものを行政と市民とで一緒に行って、予算要求からしていく。
そして、予算化が認められた事業を施行していく。
これは柏市などが導入しております。
全国の50以上の自治体で、このような事業提案という形で市民協働が進められておりますので、協働の仕組みというときに浮かぶ評価、それと事業提案について、本市がどのように考えているのかをお伺いいたします。
(1)市民と協働した事業を評価するための仕組みはどのようになっているのか。
(2)予算要求から市民とともに事業を進めていく事業提案制度の導入について、本市の見解を問う。
壇上では以上で、残りの時間は質問席より行います。
●城間幹子 市長
中村圭介議員の代表質問の1.市長の施政方針について関連をいたしますので、(1)(2)まとめてお答えをいたします。
今、議員ご指摘のタイトルの「完成」という言葉はなじまないということでしたが、議員のお話を聞きながら、私もうなずきながら、納得しながらご意見を聞いておりました。
「完成」というのは方向性、向く方向を言っているというふうにとらえていただきたいと思います。
さて、これまで取り組んでまいりました協働によるまちづくりは、点から線へ、そして面へとその仕組みが形づくられ、多くの市民・団体の連携の輪が広がりつつあるものと認識をいたしております。
今後は、その多様な個性や特性を生かしながら、「ひと」そして「知恵」、「情報」など多くの力をつむぎ合わせ、協働によるまちづくりを揺るぎないものへと発展させていきたいと考えております。
また、沖縄県のフロントランナーとしての本市には、伝統や文化、共同体という絆によって培われてきた地域という力があり、県都としての求心力があります。その力が幾重にも結ばれたとき、那覇市は「ひと つなぐ まち」として大きな力を発揮するものと考えております。
協働によるまちづくりはまだ発展途上であり、終わりはありません。
今後とも市民の皆様とともに、風格ある県都・那覇を築くため、さらなる高みへと発展させていけるよう、引き続き強力に推進してまいりたいと考えております。
●島田聡子 市民文化部長
中村圭介議員の代表質問の2.協働によるまちづくりについての(1)(2)について、順次お答えいたします。
初めに、(1)の事業を評価するための仕組みはどのようになっているか、についてですが、現在、市全体として、市民と協働した事業を評価するための仕組みについてはございません。
ですが、例えば市民文化部まちづくり協働推進課を例として挙げますと、事業実施後に感想やアンケートの聴取等を通して事業の評価を行うなど、それぞれの事業所管課において、その事業の評価をしているものと考えております。
続きまして、(2)の事業提案制度の導入についてですが、現在、本市においては、「跳びだせ!市長室」やこれまでの「Do協働!それ行け営業部長」、現在は「みきこ市長とゆんたくタイム」などを通して、市民からの意見要望や事業提案について意見交換を行っているところです。
これまでの一例として、市民から「協働によるまちづくりをさらに発展させるため、気軽にみんなが集える場所がほしい」、「活動拠点を整備してほしい」などの意見を受け、実現に結びついたのがなは市民協働プラザとなっております。
議員ご提案の事業提案制度につきましては、今後とも他市の事例等を踏まえ、調査・研究をしてまいりたいと考えております。
■中村圭介
市長、部長、ご答弁ありがとうございました。方向性ということで、少し安心したところでございます。
今後も引き続き、那覇がどういう協働の仕組みが必要なのか、心意気の部分だけではなくて、この制度についても少しずつ煮詰めていっていただきたいというふうに思いますし、私もさまざま気づき次第、提案を続けていきたいと思います。
きょうは、なぜこれほど協働によるまちづくりと言い続けるのかということを、いま一度説明したくパネルをつくってまいりました。(パネル掲示)
これは那覇市の人口、これまでの20年とこれからの20年というものでございます。
これはIIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)というNPOが発行しておりますNPOマネジメント63号より抜粋しております。
そして1995年と2015年の人口については、統計課が持っております住民基本台帳をもとに、そしてこの2035年の推計に関しては、厚生労働省の施設等機関であります国立社会保障人口問題研究所より数字を引っ張ってきております。
この20年どうだったのか。
この1995年、私は小学生でしたけれども、この20年の間に1万9,494人増えまして、現在32万3,184人だと。
ここから先20年どうなるのかというと、逆に人口減ります。
2万4,000人以上減るというふうに見通しが立っています。
そして年少人口。子どもの人数はどうだったか。
この20年で減っております。
既に少子化が始まっているわけですね。
1万402人減っておりまして5万1,152人。
そしてここから先の20年、さらに1万3,420人ほど減るのではないかという推計になっております。
実に26.2%、現在よりも子どもの数が減ります。
そして、生産年齢人口(15~64歳)については、20万9,233人から約1,000人減りまして、今現在20万8,117人と。
そして20年後には、ここから3万2,073人減りまして17万5,344人。
大体15.7%ぐらいの減少になるのではないかという推計になっております。
そして、65歳以上の人口については、1,995年の3万2,804人でしたが、2015年現在6万3,816人と、実に倍近い人数になっております。
そして、ここから先の20年どうなるのかといいますと、さらに2万2,003人増えて、現在の数字よりも34.48%ほど増えていくということで、ものすごし勢いで増えてまいります。
そして75歳以上になると1995年は1万3,331人でしたが、現在は3万3,232人と倍以上になっていますね。
そして、ここからさらに20年でもまた1万4,965人増えるという推計になっております。
つまり現在の仕組みのまま進めていくと、どうしてもこのまちを支える人たちと支えられる人たちのバランスというのが崩れていきます。
この高齢者人口と若い人たちの生産年齢人口を見比べると、大体2人で1人のお年寄りを支えていかなければいけない時代が那覇市もいずれやってくるということを念頭に、誰とまちづくりをしていくのか、どのような仕組みで参画していただくのかということを考えていかなければいけません。
さらには個人的なところでいいますと、私も那覇市首里汀良町で獅子舞をやっておりますが、那覇市の伝統芸能の継承発展についても、こうした若い人たちが減っていくということは、例えば那覇まつりとか琉球王朝祭、勇壮な祭りがたくさんありますけれども、祭りの見に来る人ではなくて、祭りの担い手、その人数を維持するためには、今よりももっともっと伝統芸能に接する機会を増やしていく。
参加してくださる方の率を高めていく。
それがないと、なかなか継続自体が難しくなっていくというのがわかるかと思います。
また、先ほど瀬長議員からもありましたかりゆし長寿大学のように、アクティブなシニア、意欲の高いシニアの方にまちづくりに参加していただくということも、大変重要な視点になっているかというふうに思います。
協働できたらいいなではなくて、みんなでやらないと立ちゆかない。
そういう時代に、そういう未来にまさに向かっているわけです。
健康づくりや環境保全、平和や文化の継承、教育についても全部の部署で協働を考えていく。
そして、必要に応じて行政がサポートしていく。
そのように取り組みを進めていくべきであります。
事業提案制度について、ぜひ協働プラザにおいて、建設管理部も消防局も上下水道局も、各部署が抱えているまちの課題について、市民とともに共有して、例えば協働プラザに通われる市民の方、市民団体、各種団体の方たちが持っている技術、こういうことできるよというものと引き合わせてみて、何か那覇の課題をともに解決できるところがないのかということを、これ予算をつけるとかいうのはなかなかすぐには難しいとは思うんですけれども、ワークショップの一環として那覇の課題を皆さんで共有していく。
そういう機会をつくっていただいて、また研究を重ねていただきたいというふうに思います。
私も引き続き、またこの後の一般質問でも、またその後もずっとずっと協働によるまちづくり、頑張って質問も続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
私の代表質問は以上です。ありがとうございました。