質問内容
- 那覇市民協働プラザ条例について。
一般質問の動画はこちらからご覧下さい。
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ハイサイ。無所属の会、中村圭介でございます。
去る土曜日に、汀良町の十五夜獅子舞がとり行われまして、雨のために1週間延期になりましたが、盛会のうちに終えることができました。
質問に入る前に、私、所感を少し述べたいと思うのですが、翁長市政の15年、私自身振り返ってみると、やはり私自身も協働によるまちづくりの中で育った15年だったのかなというふうに思います。
先ほど紹介いたしました獅子舞、地域の自治会の活動、そして大学に入ってからは、地域活性化協力隊という、任意ではありますがNPOのメンバーとして、中心市街地の活性化であるとか、若者の活動の居場所づくり、そういったものを目標に活動してまいりました。
その中でいろんなメンバーと一緒に活動をしたわけですが、高杉晋作と同じ名前のメンバーがおりました。彼はとても寡黙な青年でありましたが、とても強い意志を持って黙々と与えられた仕事をこなしていくという頼れる仲間でございました。
過去形になっておりますのは、去る土曜日に彼が天国に旅立ってしまったわけですが、そうしたいろんなメンバーと日々市民活動とはとか、協働によるまちづくりだけではなくて、僕らの団体のミッションって何だろう、目標って何だろうということを話し合っていたことが思い出されます。
NPOにとって、何のために活動するのか、その存在意義、ミッションというものが一番大事なものでございます。
ちょうど学生の時には、那覇市の第1回の環境フェアにおいて、フリーマーケットの運営をさせていただいたり、例えば来間部長と一緒ににぎわい広場の花壇の整備をしたりとか、新垣部長と一緒に商店街の倉庫の中で、まちづくりについて、地域に住むってどういうことだろうという調査をしたりしておりました。
社会人になってからも、そうしたことを続けていたわけですが、やはり私が成長してくる中で、常に人とのかかわり、地域とのかかわり、そうした協働によるまちづくりに育てていただいたなということを、改めて思っている次第でございます。
それでは質問に入ります。
ただ質問がちょっと漠然としていると思いますので、今日は質問に入る前に資料を用意しておきました。
お手元に配付しております資料の、1ページ目の前の段階なのですが、まず先に、市民と行政との協働の考え方というものについて確認しておきます。
いろんなことが書いてありますが、まずは平成23年2月定例議会におきまして、前泊議員からの質問で、協働の定義とは何かということについて、当時の市民文化部長から答弁があります。
その中では、住民、団体、NPO、行政という地域のみんなで担うまちづくりを、協働によるまちづくりと定義しております。
さらに、平成20年、平成21年度に実施された那覇のまちを考える実践講座において、協働による那覇のまちづくり検証が講座受講生より市長に提案されており、よりよい那覇のまちを目指し、お互いにできることを持ち寄り、楽しみながらまちづくりに参加することであると定義づけされています。
これを総合しますと、まちづくりというのは、みんなで担うまちづくりを協働のまちづくりといっておりまして、そこで大事なことは「協働に」とか「みんなで担う」ということですので、単独ではないということは押さえておかなければいけないことかなというふうに思います。
続きまして、資料の1ページ目といいますか、現在の那覇市NPO活動支援センター条例との比較というページをご覧いただきたいのですが、現在のてんぶすにあります那覇市NPO活動支援センター、そこの条例によりますと、第1条設置の目的に当たりますね。「市民の自主的で営利を目的としない社会貢献活動を支援するため、那覇市NPO活動支援センター(以下「センター」という。)を設置する」ということ。
そして利用者の範囲として第8条に「センターを利用できる者は、次に掲げるとおりとする。(1)民間非営利団体、(2)指定管理者が適当と認める団体及び個人」、その中で民間非営利団体というのは、同条例の4条によりまして、「自主的で営利を目的としない社会貢献活動を行う民間の団体をいう」ということが定義されております。それが、今度、新都心のなは市民協働プラザに移ると条例が変わるわけですが、その中でどういうふうな定義になっているかといいますと、利用者の範囲というのが第19条にあるのですが、「センターを利用できる者は、市民活動を行う団体及び個人とする」ということが書いてあります。
それだけを読むと、現在の那覇市NPO活動支援センターを利用されている方は皆さん押しなべて使えるのかなと思うのですが、その市民活動というものの定義が、同条例の13条、私が今回質問で取り上げたものの中に入っておりまして、その市民活動の定義が「市民による自主的で営利を目的としない、協働によるまちづくりのための社会貢献活動」というふうになっております。
つまり、今ある条例に加えて、協働によるまちづくりのための社会貢献活動であるというふうになっておりまして、これは見方によっては利用者の範囲が狭くなるように見える恐れがあるのではないかということで、質問の1番目、現在の条例案第13条では、那覇市NPO活動支援センターをなは市民活動支援センターにすることで、利用者の範囲が狭くなるように見える恐れがあるのではないか、見解を伺うというふうになっております。
そして2番目が、なは市民活動支援センターや、なは女性センターとは違い、なは産業支援センターについては休館日の記載がありません。
情報提供や経営相談などの支援業務はいつ行うのか、また支援業務を行う場所はどこなのかお伺いいたします。
3つ目に、なは市民活動支援センターの事務室利用団体は24時間利用可能なのか。
現在はソーシャルビジネスという社会的な企業であったり、社会に対して企業活動に似たような形で、市民のニーズに応えてさまざまな事業を展開するNPOも増えておりますので、そういった団体も上に入ってくる産業支援センターを利用する団体と同じように、事務室を自分たちで自由に使うことができるのかということを確認したいと思います。
以上で、残りの時間は質問席より再質問等させていただきます。
●島田聡子 市民文化部長
ハイタイ。中村圭介議員の一般質問のなは市民協働プラザ条例についてのうち、(1)那覇市NPO活動支援センターをなは市民活動支援センターにすることで、利用者の範囲が狭くなるように見える恐れがあるのではないかとの質問にお答えいたします。
なは市民協働プラザ条例では、那覇市NPO活動支援センター及び協働大使活動支援センターの機能を併せ持つ施設の名称を、なは市民活動支援センターとし、同条例第13条にてその目的を、「市民による自主的で営利を目的としない協働によるまちづくりのための社会貢献活動を行うための施設」と明記しております。
これは本施設が、那覇市の協働によるまちづくりの拠点施設として、市民、団体、企業等さまざまな主体へ幅広く活用していただきたいとの思いと、協働によるまちづくりに対する意識の高揚を図る趣旨であります。
平成18年に示した市民と行政との協働の考え方の中で、まちづくりとは地域を暮らしやすくするためのさまざまな活動のことで、住民、団体、事業者、NPOそして行政を含む地域のみんなで担うまちづくりを協働によるまちづくりとしております。
このようなことから、今回の条例制定案は利用者の範囲を狭めるものではないと考えております。
●大城弘明 経済観光部長
ハイサイ。中村圭介議員の一般質問、なは市民協働プラザ条例についての(2)なは産業支援センター関連についてお答えいたします。
なは産業支援センターの運用につきましては、入居企業は24時間の入退室が可能となっております。ただし、会議室につきましては利用時間に制限を設けております。
入居する企業に対する支援業務につきましては、企業の活動に有用な情報提供、資金調達等の経営相談、人材育成等の企業育成支援を委託により実施する予定ですが、実施時間帯につきましては、入居企業のニーズに合わせて柔軟に対応していきたいと考えております。
また、実施場所につきましては、5階の会議室等で人材育成や研修等を行い、各種相談、紙媒体での情報閲覧などについては、事務所や共用スペースなどを活用することとしております。
そのほかにもICTを活用した情報提供を実施するなど、入居企業に必要な支援を行っていきたいと考えております。以上でございます。
●島田聡子 市民文化部長
中村圭介議員の一般質問のなは市民協働プラザ条例についてのうち、(3)事務室利用団体は24時間利用可能なのかについてお答えいたします。
なは市民活動支援センターは、施設の管理運営上、午前9時から午後10時までの開館時間となっておりますが、事務室等を利用している団体がイベント等に伴う対応など必要な場合は、指定管理者の許可を得て、開館時間以外の同団体事務室の利用は可能と考えております。
■中村圭介
答弁ありがとうございました。
協働によるまちづくりの那覇市独自の定義において、今回の条例の中でもそういう協働によるまちづくりがしっかりと示されていればまだわかるのかなと思うのですが、それの定義についてまだ未確定な部分があるということで、その状態でこう進めていくことは少し不安が残るなというふうに思います。
この協働の考え方をつくる際に参考にされたという横浜の事例を紹介しますと、市民活動と行政との協働の領域というものを5段階で示しております。これはお手元に配付した資料の中にもあるのですが、市民が単独で行う事業から行政が単独で行う事業の領域まで5種類に分かれておりまして、その真ん中の3つが何かしらの形で協働する。
つまり市民が、行政の力を借りずに自分たちの力で活動を進めていく、広げていく。そのことも非常に大事な取り組みであります。
そして行政は、全てにおいて市民の意見を参考に取り入れていくわけでもなく、独自の裁量を持って、独自の責任で遂行していかなければいけない業務ももちろんあるというふうに思います。
私は日ごろから申しておりますのは、市民参画というのは、できればこの行政の責任において進めている部分に対して、もっともっと市民の声を取り入れていきたいということにはなるわけですが、今の横浜の例では、市民活動と行政との協働というのはこの3つ。つまり、独自の活動自体は除かれたものであるということでございます。
そしてもう1つ。これはお手元に配付はしてないのですが、呉市のものも参考に那覇市のものはつくられたというふうに書いてありましたが、呉市のほうでも協働の領域としては、同じように単独で行うものを除いたお互いが何かしら協力しながら行うもの、単独ではなくて複数で連携協力して行うものが明記されております。
そこで、那覇市の協働によるまちづくりが目指す将来像について、これはお手元に配付しております資料の中に書いてあるのですが、市民と行政との協働によるまちづくりと、市民同士の協働によるまちづくりというのは、協働によるまちづくりの範囲として私は理解可能なのですが、協働によるまちづくりの中に、市民単独によるまちづくりと行政単独によるまちづくり、これが入っていることが少し不思議に思います。
つまり市民単独によるまちづくりと行政単独によるまちづくりが活性化することで、推進されることで、協働によるまちづくりが推進されるということなら理解できるのですが、それらが協働によるまちづくりに含まれているということについては、もう少し分けて考える必要があるのではないかということです。
最終的に私が今回申し上げたいことは、なは市民協働プラザ条例の13条を配付しております資料のように変更するべきではないかということです。
1つ目が那覇市NPO活動支援センターの役割、それと2つ目に協働プラザ施設の一部、特に協働によるまちづくりを担う部門としての目的という形、その2つの目的を果たせるような条文に変えていく必要があるのではないかということ。
そのために、今の条文の中で、「協働によるまちづくりのための社会貢献活動」というふうに市民活動を再定義しているところを外しまして、従来の市民活動と同じような定義に戻す。
そして「市民活動を行う団体を集約し」というところも、確かに集約される支援ブースがあり、事務室があるわけですが、全ての市民活動の団体が入るわけではありませんが、市民活動をしている団体全てに利用してほしいということで、あえて制限を設ける必要はないのではないかということです。
そして、協働プラザの施設を利用する企業、団体等との連携により、現在は「地域の活性化に資することを目的とする」というふうになっておりますが、ここを「協働によるまちづくりの推進に資することを目的とする」というふうに、つまり市民活動支援センターでは協働に資することを目的として、協働プラザという複合施設建物全体、これが協働によるまちづくりを推進し、ひいては地域の活性化に資する施設となっていくと、そのような形に落ち着くのではないかというふうに思っております。
協働によるまちづくりというものが進められていく中で、これまでは「さあ協働によるまちづくりというものをしましょう」と、新しい概念ですから、それを旗印に協働によるまちづくりって何だろうと思う方だったり、自分たちができることはやりたいと思う市民が集まってきて、それを各課題に落としていくといいますか、集まった市民がそれぞれの課題に入っていくというようなイメージだったんですけれども、それが10年を経て、協働によるまちづくりもだいぶ推進してきましたので、そろそろ各課題、例えば防災であるとか、人権問題であるとか、いろんな課題に対して、その解決のプロセスの中に協働が組み込まれる。
つまり協働の考え方自体が理解されれば、協働によるまちづくりをしましょうという漠然とした集まりではなくて、例えば防災について考えてみましょう、その中で協働によるまちづくりを活用しましょうといったときに、例えば地域の自治会が入ってきたり、周辺の企業の人が入ってきたり、地域の防災というものを解決していくためのプロセスに、協働によるまちづくりが内在しているというような形を目指していくべきではないかというふうに思っております。
ですので、今回の質問で取り上げました、なは市民協働プラザ条例、これをもう少し一般的な、那覇市独自の協働によるまちづくりの定義自体も見直しながら、もう少し汎用性の高い条例にする必要があるのではないかということを提案したいと思います。
以上で私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。